2025年12月09日

【書評】アダム・ブレード『ビーストクエスト/双竜ベドラとクリモン』

ビーストクエストシリーズの第19巻です。

ビースト・クエスト 双竜ベトラとクリモン

ビースト・クエスト 双竜ベトラとクリモン

  • 出版社/メーカー: ゴマブックス
  • 発売日: 2008/06/02
  • メディア: 単行本


著者のアダムブレードは複数の作家によるハウスネームで、本国アメリカでは140冊を超える本が刊行されているそうです。
本作のテーマは双子のドラゴンです。
まだ生まれて間もない赤ん坊ドラゴンですが、これを悪の魔法使いマルベルが悪に染めてしまおうと画策します。
そこで主人公トムと相棒のエレナが、ドラゴンが悪に染められてしまう前に、ドラゴンたちを救出しようとする話です。
ビーストクエストは、ゲーム性の強いシリーズです。
タイムリミットとして満月が昇るまでに任務を達成するよう求められます。タイムリミットを超えるとドラゴンが悪に染まっていまいます。
なぜ、といった細かい説明はありません。
そうなっているからです。対象年齢的に、これで良いのかもしれません。
双竜のうちクリモンは確保するのですが、ベドラが行方不明になります。
ファンタジーらしく、次から次へと襲ってくるピンチを主人公たちは切り抜けますが、微妙に間に合わなくてベドラが悪に染まってしまいます。
そしてクライマックスです。
驚きはないかもしれませんが、手堅い作りで、楽しく読める本だと思います。

ビーストクエストファンのために!
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2025年12月07日

【書評】大塚菜生『うちの屋台にきてみんしゃい』

屋台を経営する両親を持つ娘の心情を描いた佳作です。

うちの屋台にきてみんしゃい (わくわく読み物コレクション)

うちの屋台にきてみんしゃい (わくわく読み物コレクション)

  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2023/08/05
  • メディア: 単行本


主人公は小学六年生の女の子。両親は福岡で屋台を経営しています。
彼女には密かに恋焦がれている若い社会人の男性がいます。
基本的なストーリーは定番です。
屋台が忙しくて疎外感を感じている主人公。そんな中、優しく気にかけてくれた社会人に幼い恋心を抱きます。
そんななかで父親がけがをして、娘が自分の意思で屋台の手伝いを始めて、大人の世界に入り込もうとします。
最初は順調でも途中から失敗が増えてしまいます。
苦労を重ねていくうちに、主人公は両親の大変さとか、両親がいかに娘のことを気にかけてきたかを知ります。
という感じです。
定番の流れと言えばそうなのですが、少女の心情が丁寧に描かれた佳作だと思います。
後半は、あまり知られていない屋台の話が次々とでてきます。
屋台の営業は大変だと実感します。

毎日児童文学賞優秀賞を受賞した児童文学を楽しみたいひとのために!
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2025年12月06日

【書評】レックス・ストーン『ダイナソーパニック/こそどろ恐竜をおえ』

児童向け恐竜シリーズの第5弾です。

ダイナソー・パニック (5) こそどろ恐竜をおえ

ダイナソー・パニック (5) こそどろ恐竜をおえ

  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2010/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


今回、取り上げられている恐竜はヴェラキラトプルです。
映画『ジェラシックパーク』で一躍有名になりました。
ストーリーとしては、恐竜時代へと抜ける秘密の通路を発見した二人組が、恐竜世界を冒険する話です。
こうした設定は夢が広がりますね。秘密の通路を通じて海賊船を発見するのが『グーニーズ』。秘密のゲームを広げて奇妙な世界に入るのが『ジュマンジ』。
こうした設定は定番なのかもしれません。
本作ですが、電子機器をヴェラキラトプルに盗まれ、取り返すために巣に向かいますが、間欠泉が行く手を阻んだり、ヴェラキラトプルに襲われたりして、すったもんだします。
あと、さりげなくカニも登場です。カニは恐竜時代からそれほど進化していないそうです。
このカニが、もちろん伏線となって、後半に活きてきます。
児童文学として、手堅い作りの作品だと思います。

恐竜好きな子供たちのために!
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2025年12月04日

【書評】ガリレオ工房監修『ふしぎ?おどろき! 科学のお話2年生』

小学2年生向けだけに、身近な話が満載です。

ふしぎ?おどろき! 科学のお話 2年生 (ポプラポケット文庫)

ふしぎ?おどろき! 科学のお話 2年生 (ポプラポケット文庫)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2015/01/02
  • メディア: 単行本


取り上げらているのは、「アリ」「トンボ」「ザリガニ」「大豆製品等」「星座」……などなど、身近な話題がそろっています。
小学生向けに題材が選び抜かれています。
身近な話題から、子供たちが興味を引くように、少し不思議な世界を覗かせてくれます。
書かれている内容は、大人でも科学に興味ないひとだと、知らないことも多いんじゃないかなと感じます。
適切なレベル設定だと思います。

科学に興味のある子供たちのために!
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2025年12月02日

【書評】松谷みよ子編『お化け屋敷レストラン』

人気ホラー児童文学シリーズのひとつです。

怪談レストラン(10)お化け屋敷レストラン

怪談レストラン(10)お化け屋敷レストラン

  • 出版社/メーカー: 童心社
  • 発売日: 1998/02/25
  • メディア: 新書


収録されているのは13編です。
怖いというより、少しほほえましい作品もあります。
このシリーズは新作と古典が混じるのが通例です。
『のっぺらぼう』は誰もが知る話。
『ひとつ目の鬼』は今昔物語です。
解説では元ネタは書かれていませんが『おどる幽霊』『話をひとつもしらなかった男』『吸血鬼になったルナ』は何かの古典じゃないかなと思います。
印象に残ったのは『お化け屋敷のガイコツは……』です。
お化け屋敷のガイコツが本物のガイコツだった話で、そのガイコツが売られて、もしかしたら理科室に……と小学生の心をくすぐる仕掛けが入っています。

楽しく読めるホラーを堪能したいひとのために!
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2025年11月30日

【書評】小田英智・小川宏『自然の観察辞典5/カリバチ観察辞典』

大判写真が美しいまるで写真集のような本です。

カリバチ観察事典 (自然の観察事典)

カリバチ観察事典 (自然の観察事典)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1996/05/01
  • メディア: 大型本


カリバチはハチの中でもそれほどメジャーではありません。
それでも畑の多い場所にいけば、普通に見ることができます。
本書はそんなカリバチの仲間たちを、たくさんの写真で紹介します。
カリバチは獲物となる昆虫を捕まえます。多くの種は毒針で刺してマヒさせて、巣の中に運び込み、卵を産み付けます。
幼虫は母バチが用意してくれたエサを食べて成長します。
とにかく写真が多くて鮮明です。
巣の中の写真も多く、生態が分かりやすいです。
中にはハエに寄生されてしまうカリバチもいます。
ハエを食べるクモを狩るカリバチが、ハエにやられてしまう。
自然の不思議を感じます。
あとがきにある「読書の体験とほんもののカリバチの生活をみる体験とでは、比較にならないほど違います」に同感です。

カリバチについて知りたいひとのために!
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2025年11月29日

【書評】白井祥平『科学のアルバム/サンゴ礁の世界』

多種多様なサンゴの写真が楽しめます。

サンゴ礁の世界 (科学のアルバム)

サンゴ礁の世界 (科学のアルバム)

  • 作者: 白井 祥平
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2005/03/01
  • メディア: 大型本


まず最初にサンゴ礁とは何かの説明から入ります。
プロローグ的な説明が終わると、次からは圧倒的なサンゴの写真です。
色とりどりなら形も様々です。
器のようなサンゴ、テーブルのようなサンゴ、脳のようなサンゴもあれば、赤い木の枝のようなサンゴもあります。
サンゴの餌はプランクトンです。光合成をする植物ではありません。
そうした基本的な事柄ももちろん押さえられています。
日本近郊にはまだまだサンゴが残っています。
1975年初版ですが、2005年に新装版になって重刷されています。

美しいサンゴの姿を楽しみたいひとのために!
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2025年11月27日

【書評】藤井旭『科学のアルバム/星座を探そう』

夜空の美しい写真が満載です。

星座をさがそう (科学のアルバム)

星座をさがそう (科学のアルバム)

  • 作者: 藤井 旭
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2005/03/01
  • メディア: 単行本


科学のアルバムシリーズ、天文・地学の6番目になります。
星空の写真と、星座の線や絵が描かれた写真がセットになっているページが多いです。
星座付きの写真を見ながら、線のない写真で実際に星座を探す楽しみがあります。
ですが、なかなか難しいですね。
古代のひとたちの想像力には感服です。
星座とともに、星座にまつわるストーリーも紹介してくれるのがうれしいところです。
1973年初版ですが、2005年に新装版になってからも版を重ねるベストセラーです。

子供たちと星座を楽しみたいひとのために!
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2025年11月25日

【書評】山岡荘八『随想 徳川家康』

山岡荘八の代表作、徳川家康に関する随筆集です。

随想徳川家康 (1963年)

随想徳川家康 (1963年)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: -


大長編小説『徳川家康』は18年に渡って書き続けられました。
随想では完結前に書かれた随筆から、小説では触れられていない余話について綴られています。
『徳川家康』がスタートしたのは、戦後まもなくの昭和25年です。終戦後の混乱期でした。
山岡荘八は平和について様々な思慮を行ったようで、そうした中で、江戸300年の太平の世を築いた徳川家康に着目したようです。
その当時、徳川家康は「豊臣家に因縁をつけてつぶした狸親父」というイメージが強く、不人気の戦国大名でした。
それを「戦争のない日本を作るために、戦乱を終わらせた」「尊王の思いが強く、天下は預かりものと認識していた」という解釈で書き続け、当時の大ベストセラーとなりました。
そうした様々な思索の断片が随筆の形で掲載されています。
山岡荘八は政治家との交流もあり、当時の政治状況に言及した箇所も多いです。
この当時は冷戦真っ盛りだったんだよなあと、思い出しました。

山岡荘八の代表作『徳川家康』の裏側を覗いてみたいひとのために!
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2025年11月23日

【書評】山内健生『私の中の山岡荘八/思い出の叔父・荘八』

山岡荘八の甥が語る、素顔の山岡荘八です。

私の中の山岡荘八―思い出の伯父・荘八 ひとつの山岡荘八論

私の中の山岡荘八―思い出の伯父・荘八 ひとつの山岡荘八論

  • 作者: 山内 健生
  • 出版社/メーカー: 展転社
  • 発売日: 2014/05/01
  • メディア: 単行本


山内健生は、山岡荘八の妹の息子です。
つまり甥です。
山岡荘八自伝でも親族のことが多数触れられているように、山岡荘八は家族を大事にしたひとのようです。
叔父と甥の関係ですが、断片的とはいえ様々な交流があり、思い出を徒然なるままに語っています。
山岡荘八はよく泣くことで有名でした。
本書でも泣くシーンがよくでてきます。酒をこよなく愛し、地元の酒、緑川をお湯割りにするという非常に変わった飲み方をしています。
舞台にもたびたび上がり、様々な役柄を演じていたようです。
健生もいろいろお世話になり、新婚時には山岡荘八家の離れに住んでいました。住宅手当をもらうために、形だけ賃貸借契約書を書いてもらった話は、なんとなくほっこりです。
本書では特に後半生に関する記憶が多く紹介されています。
政治的には保守派で、自民党との交流も多かったようです。テレビにも出演した話など、書き残しておかないと消えてしまう記録も貴重です。
ところで、山内健生は山岡荘八の小説をそんなに読んでいない様子です。
身内は意外とそんなものかもしれません。
山岡荘八の婿養子である山岡賢次とは仲が悪い様子で、批判的です。
山岡賢次は政治家ですが、山岡荘八の本名は藤野庄蔵(旧姓山内)で、その藤野を捨てて山岡に改名したことに「山岡荘八の筆名を利用して当選した」とたいそうお冠です。

山岡荘八の素顔を知りたいひとのために!
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