王座経験者同士の決定戦となりました。
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/
王座戦はタイトル戦で唯一の持ち時間5時間の棋戦です。
また一次予選からタイトル戦まですべて持ち時間が同じというのも珍しいです。
近年はストップウォッチからチェスクロックに変わり、実質的に持ち時間が30分ほど減っていますが、それでも独自の持ち時間であることは変りません。
この5時間で圧倒的な成績を残しているのが羽生九段です。
王座戦19連覇、通算24期は他の棋士を圧倒しています。
永瀬九段も王座戦は4連覇し、前年も藤井聡太に敗れはしたものの優勢な時間が長く、絶対王者を最後まで苦しめました。
ここからすると5時間の適性はかなり高いと思われます。
両者の対戦成績は永瀬九段が大きくリードしていますが、ここ8戦は4勝4敗と互角です。王座戦では初の対戦となります。
さあ、王座戦の適性の高い両者の対戦は、どうなったでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/72/ouza202407220101.html
ということで、将棋です。
先手番は羽生九段です。後手の永瀬九段は角換わりを避けて雁木に組みます。
途中まで羽生九段は対雁木の流行形、7七角、8八銀からの急戦策を取ります。
前例だと金を寄ったりして一呼吸おいていたのですが、羽生九段は果敢に積極策を取ります。
ただ永瀬九段の3,4筋の位が厚く、攻めがとん挫している格好です。
羽生九段は歩の手筋で後手陣に嫌味を付けますが、攻め合いになりそうにないのが辛いところです。
評価値的には一瞬だけ互角に戻りますが、全体的に永瀬九段の手厚い形勢だったと思います。
114手まで後手永瀬九段が完勝し、藤井王座への挑戦権を獲得しました。
羽生九段は久しぶりの王座戦登場まであと一歩に迫っただけに残念です。
第72期王座戦五番勝負は、9月4日(水)に神奈川県秦野市「元湯陣屋」で開幕します!
2024年07月22日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください