2026年02月10日

【書評】『小説イタリア・ルネッサンス4 / 再び、ヴェネツィア』

マルコ・ダンドロを主人公としたイタリアルネッサンスシリーズの最終章です。

小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア (新潮文庫)

小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: 文庫


1~3は原題があり、それを改題したものです。
4だけがシリーズ化に伴い新規書き下ろしになるので、原題はありません。
時代はレパントの海戦の時期になります。
3で恋人を失ったマルコ・ダンドロはヴェネツィアに戻り、再びCDX(10人委員会)の1員として国家の中枢を担うようになります。
非合理的でひたすら領土拡大を目指すトルコの新スルタン、セリム2世。スペインの国益だけを考えるフェリペⅡ世に翻弄される、祖国ヴェネツィアを描きます。
16世紀は小銃や大砲が登場し、十字軍時代のように訓練された騎士が少数でも圧倒的な戦力を発揮する時代ではありません。
当時のヴェネツィアは人口150万人で、いくら経済力があっても人口3000万人を要するトルコに対抗できません。
小国に転落したヴェネツィアの苦悩を、マルコ・ダンドロの視線を通じて描きます。
内容的には同著者『レパントの海戦』と重なる部分がだいぶありますが、当時の芸術に関する記述もふんだんにもりこまれています。
ティッチアーノが活躍した時代です。

イタリアルネッサンスの雰囲気を感じたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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