2024年07月21日

【映画】007/オクトパシー

007シリーズでも屈指の出来だと自分は思います。


007/オクトパシー [Blu-ray]

007/オクトパシー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray



冒頭はいつものようにボンドが活躍する活劇から始まります。
キューバの基地に潜入して見つかりますが、特殊小型ジェット機で脱出します。
ここが最初の見せ場です。
さてストーリーはピエロになりすました諜報員009が殺害されるシーンから始まります。
009は英国大使館までたどり着きますが、そこでロシア皇帝の「レディーの卵」を渡して絶命します。
この「レディーの卵」は精巧な偽物で、007が調査することになります。
偽物捜査ですから、いつもと比べると事件が小粒です。
ですが、サブプロットが面白い。
それはソ連内部の権力闘争です。軍縮に反対し、むしろ攻勢のチャンスととらえるオルロフ将軍がいます。
もちろん彼の意見が通ることはないのですが、そのことにオルロフ将軍は不満を持っています。
彼の野望は、核爆弾を米軍基地内で爆発させることです。
ミサイルが検知されない以上、基地内の事故として処理され、反核運動はさらに盛り上がり、米軍は無防備になる。
そこでソ連が大々的な侵攻を企てようというのが計画です。
核爆弾をどう持ち込むのかですが、オクトパシー率いる女性宝石密輸団がいて、彼女たちはサーカスも主催しています。
オクトパシーたちを騙し、宝石密輸と思わせて核爆弾にすり替える作戦です。
ということで、軸はジェームスボンド、オルロフ将軍、オクトパシーの3軸で進んでいきます。
007シリーズというと独創的なアクションが主体ですが、本作の目玉は冒頭のジェット機、電車の屋根での戦いぐらいでしょうか。あとは宮殿での襲撃で、敵の持っている武器が変わっているのが目につく程度です。
Qの秘密道具も通信機と濃硫酸入りの万年筆とかなり小型です。
ですが、スパイ映画らしく、次から次へと謎が解き明かされる展開は、いままでの007シリーズとは違って面白かったです。
また、007シリーズはどうしでも敵の目的がかなり強引というか、無理のある話が多いのですが、本作の主敵の目的は自然で、彼なりの正義感・愛国心に基づいています。
自分的にはこの点でポイントが高いです。
タイムミリットとして核爆発までの時間が設定されています。
3時間45分とタイムリミットしては長いですが、ときおり時計のシーンを挟み、最後のピエロシーンの混乱も含めて、効果的だったと思います。
ラストのピエロシーンは、サーカス独自のユーモアも絡み、楽しかったです。
製作費27百万ドルに対して興行収入1億88百万ドルと前作より下がりましたが高収益です。

スパイ映画らしい007を楽しみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(0) | 映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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