2024年07月14日

【映画】007/黄金銃を持つ男

シリーズ9作目で、今回の敵は至高の殺し屋です。


007/黄金銃を持つ男 [Blu-ray]

007/黄金銃を持つ男 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray



冒頭で主人公の活劇が入るのが、スパイ映画の王道です。
本作はこの活劇が、主敵スカラマンガになっています。
自分を殺すために雇った殺し屋を返り討ちにするのですが、これで主敵の凶暴さ、強さを強調する仕組みです。
この主敵を演じるのがクリストファー・リーで、ロードオブザリング、ホビットでの魔術師サラマン役で有名です。
007の元に、黄金の銃弾が送付されてきます。
これは殺し屋の名刺みたいなもので、これから殺害する相手に送り付ける予告状です。
ボンドは狙われていることから任務から外されそうになりますが、逆に殺し屋を排除すると宣言して殺し屋を追うことになります。
という感じのストーリーですが、ここに太陽光エネルギー変換装置の奪い合いというもうひとつの軸が絡んできます。
いまは太陽光発電が盛んですが、映画公開時(1974年)は実用化されていない時代ですからね。
主な舞台はタイと中国です。
前作で登場したペッパー警部ですが、人気が出たのか本作でも「タイ旅行中」という設定で登場です。
チョイ役かと思ったら結構尺も長く、ボンドと一緒に追跡劇まで披露します。
ボンドとは違い、あっさりとタイ警察に手錠をかけられてしまうのですが。
ちなみにピンクレディーのペッパー警部は1976年のリリースですが、本作とは関係がない模様。
ボンドガールとして、助手のグッドナイトが登場です。
スタイル抜群ですが、少し間抜けなキャラとしてえがかれており、余計なことをして車のトランクに閉じ込められてそのまま空に飛び立ってしまったり、おまけに敵の本拠地に連れてこられているのにビキニ姿で海を満喫していたりします。
最終盤でも、敵を変な場所で倒した結果、ボンドを窮地に追い込でしまいます。
スカラマンガの設定は古風で、銃にこだわりを持ち、自己意識が非常に高いです。
同じ殺し屋としてボンドに好意を抱いており、ボンドとの一騎打ちを制することが夢です。
こうした設定が、冒頭のシーンの意味であり、ボンドを闇討ちで殺さない理由です。
男らしい殺し屋、というところでしょうか。
スカラマンガの助手として小人症の男がでています。こうした脇役たちが、単調なパターンになりがちな活劇にエネルギーを与えていると思います。
見せ場は水路を車で飛び越えるシーンです。これまた不自然に傾いたジャンプ台のようなはしけが両側に設置してあり、そこを飛び越えると車がぐるりと一回転して着地です。
これまた時代ですね。
製作費は前作と同じく7百万ドルで、興行収入は前作より大幅に下がったといっても98百万ドルと10倍以上の稼ぎです。

ロジャームーアとクリストファーリーの一騎打ちをみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(0) | 映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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