最後にほっこりするコメディ映画です。
主人公は中年の小説家。
とはいえデビュー作は興行的に失敗し、次作のためにコテージに泊まり込むことになりますが、まったく書けません。
実質的には外科医をしている妻の紐です。
彼は絶えず孤独を感じており、そのため想像上の友達「キャプテン・エクセレント」の助けを借りています。
そんな彼が、街中で同じ匂いのする少女と出会います。
彼女にも想像上の友達がいます。
彼は彼女に「ベビーシッター」という名目で家に呼び、次第に仲が良くなっていきます。
妻は週1回戻ってくるのですが、少女の存在がバレそうになり……という感じの映画です。
あまり期待せずに観たのですが、思ったより面白かったです。
とにかく主人公がダメダメです。
生活能力ゼロで、嫌なことは後回し。自分自身に向き合えない子供です。思春期の手前で止まった存在です。そのため、完璧なふるまいをする妻の存在に、圧迫感を覚えています。何かあるとキャプテンエクセレントのアドバイスで切り抜けます。
少女は少女で、孤独を埋め合わせるために、どうしようもない男と付き合っています。
ミッドポイントは主人公が少女の助けを借りて料理をするところです。
妻は冷蔵庫にあるヒラメ(少女が持ってきたもの)を見ていぶかしくなり、主人公がごまかすために料理を始めますが、あまりのひどさに途中で止めさせます。
その後、主人公に少女に魚(コノシロ?)のさばき方を教わり、一緒に料理をして、食事を楽しみます。
このシーンで、主人公と少女の関係性が一気に深まります。
主人公は大人の女性には自分をさらけ出せませんが、少女には自分をさらけ出せることに気が付きます。
後半でコテージでパーティーが開催されます。そのパーティで主人公は少女の彼氏と喧嘩して、少女が主人公をかばったことで、二人は孤独ではないことを知ります。
自分たちにも友達を作れることを知ります。
主人公は40年以上も付き合ってきたキャプテンエクセレントと別れる日が来たことを知ります。
少女は彼氏と別れ、想像上の友達は自殺することで少女の前から永久に去ります。
妻も、夫が自分自信をさらけ出し、変わろうと努力していることを知り、すべてを受け入れます。
映画のファーストシーンはコテージに向かうところで、終わりはコテージを去るところです。
典型的な行って帰る話ですが、途中のユーモアといい、予想以上の佳作だと思います。
キャプテンエクセレントを演じたライアン・レイノルズがなんともいい味を出しています。
意外な名作を楽しみたいひとのために!
2024年06月13日
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