実在した麻薬運び屋、バリー・シールを主人公とした犯罪映画です。
バリー・シールは凄腕のパイロットです。
その腕前を買われてCIAにスカウトされ、南米の軍事基地への偵察任務、反政府組織に密かに銃を空輸する仕事に従事します。
ところがシールの活動は麻薬組織にも目を付けられ、今度は麻薬の運び手としてスカウトされます。
アメリカから南米に銃器を輸送し、帰りの荷物は麻薬という二重生活が始まります。
密輸の収益は莫大で、自前の空港を拡張し、人を雇い、事業を拡大していきます。
収益のほとんどは犯罪ですが、まさにアメリカンドリームです。
こうした成り上がりの様子が、陽気なスタンスで描かれていきます。
ところが、ついにFBIに身柄を抑えられてしまいます。その前に麻薬を積んだバリーの飛行機が警察に追われて墜落したこともあり、CIAもバリーの関係を抹消します。
そんなバリーに、司法取引が持ち掛けられます。
刑務所行きを免れる代わりに、麻薬の運び手として南米に飛び、麻薬密売組織の写真撮影をするというのもです。
バリーは何食わぬ顔をして南米に飛びますが、そこで麻薬組織から銃を突き付けられます。
という感じのストーリーです。
実在の犯罪者をモデルにしていますが、もちろんフィクションです。ただ、ポイントとなる部分は史実に基づいています。
とにかく陽気な映画です。犯罪者といっても、本人による殺人がないからでしょう。成りあがりたい青年が、次々と夢を実現していく話をアップテンポに描いてきます。
この手の映画にはつきものの、試練も何か所があります。
麻薬を積んでの初飛行、麻薬取締局から追われてギリギリの転居、空中での警察との追跡劇。
そうした障壁を、バリーは軽いタッチで乗り越えていきます。
この手の映画ではお約束の、困った親族も登場します。
ラストは実在のバリー・シールと同じ運命をたどります。
ですが、悲惨さがないのは、狙われたのは本人だけで妻子には危害を及ばなかったこと。本人が人生に満足して自らの運命に諦観していたことでしょうか。
本作は生きたいように生きた人間の痛快半生記だと思います。
主人公はあくまで犯罪者なのですが、軽いノリで楽しめる映画です。
製作費50百万ドルで興行収入1億32百万ドルなので、少し黒字といった感じでしょうか。
バリー・シールの半生を描いた映画を楽しみたいひとのために!
2024年06月02日
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