緊急通報指令室のオペレーターを通じて誘拐事件を解決する異色作です。
本作は2018年オランダ映画です。
主人公は緊急通報指令室のオペレーターとして勤務していますが、元々は現場の刑事で、何らかの事件を起こして閑職に回されています。
その事件の裁判は、明日に控えています。
そうした日に、主人公は「誘拐された」と泣きながら訴える女性からの通報を受けます。
電話を受けると、発信地や住所氏名が表示されるシステムです。このシステムを使って、家に連絡したり、指令室に指示をだしていきます。
主人公はオペレーターの範疇を超えて、個人的な知り合いに捜査を依頼したりします。
そうした中で、実は誘拐ではないことが判明します。
という感じのストーリーです。
主人公は暴走気味の人物で、これと思い込むと、オペレーターの範疇を超えた行動を取ってしまいます。
その結果は次々と裏目に出て、ますます追い込まれていきます。
主人公は善良に対応していると見せかけて、あとで次々とひっくり返る構成が上手いです。
冒頭からずっとチラチラさせられていた主人公の罪、ギルティとは「正当防衛に見せかけて少年を殺害してしまった」ことです。
この告白をすることで、自殺寸前だった女性の命を救うことに成功します。
映画は私用電話でどこかに連絡を取ろうとするシーンで終わります。
どこに電話をしたのかは明示されていませんが、おそらくは冒頭で連絡のあった記者あてかと思われます。罪の告白でしょう。
冒頭にも記者から電話があり、そのときは「ノーコメント」と突き放しましたが、事件を通じて心境の変化のあった主人公は、自らの罪を告白する気持ちになったのだと思います。
ここが主人公の成長ということですね。
作品の評価は98%が高評価、10点満点中7.94点、100点満点中83点と軒並み高評価です。
この評価も納得の作品だと思います。
オランダの傑作ミステリを楽しみたいひとのために!
2024年05月16日
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