Aハイラインによる短編小説『輪廻の蛇』を映画化した傑作タイムトラベルです。
主人公は1975年に発生した大規模爆発事件を防ぐため、過去に送り込まれた捜査官です。
そこで主人公はバーテンダーとして身を潜めますが、そこで元少女だった青年と知り合いになります。
その青年は過去の告白をします。
少女は生まれてすぐに孤児院に預けられます。
運動神経、頭脳とも優秀で宇宙飛行士を目指しますが、喧嘩をしてふいになります。
夜間大学で勉強しているとき、ある男性と出会い恋に落ちますが、その男性は突如として消えてしまいます。
そして、妊娠が発覚します。
彼女は女の子を産みますが、帝王切開の難産で、子宮摘出を余儀なくされてしまいます。
そして医者は彼女が両性具有であり、女性器を失った代わりに男性器の機能回復を果たしたと告げます。
ショックを受ける彼女ですが、赤ちゃんのために生きると決めたとたんに、赤ちゃんを何者かに連れ去れてしまいます。
青年となった彼女は、人生を狂わせた男性に恨みを持ちます。
その話を聞いたバーテンダーは、「そいつに会わせてやる」と言って、青年と過去に飛びます。
という感じで話は進んでいきます。
いやあ、これは面白いです。
冒頭で主人公が爆弾魔を追い詰めますが、反撃されて重傷を負います。
これがラストの重大な伏線になっています。
主人公は時代を飛び回ります。タイムトラベルによって体にダメージを負い、認知症のリスクも高くなっています。
そうした様々な伏線が散りばめられているのですが、これが最後のワンシーンで綺麗につながります。
セリフはなく、シーンだけ。これですべてを伝える演出は最高です。
登場人物も削り込まれ、時代を飛び回る複雑さを、すっきり見せる工夫もされています。無駄な設定がなく、すべてが伏線として回収される構成の巧みさも絶品です。
あまり詳しく書くとネタバレになってしますので、ぜひとも見てほしい映画です。
Aハイラインによる短編小説『輪廻の蛇』を映画で楽しみたいひとのために!
2024年05月14日
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