ロード・オブ・ザ・リング三部作の第2作です。
物語はいよいよ佳境に入っていきます。
第1作のラストで、旅の仲間は3つに分かれます。
主人公であるフロドとサムは、指輪を抹消するためにモルドールへの旅を続けます。
途中で指輪を求めて追いかけてくるゴラムを捕まえ、仲間にします。
しかしゴラムは指輪の力により正と悪の二面性を持っており、そのはざまで苦しみ続けます。
最後で父に冷遇されているゴンドールの兵隊長(ファラミア)につかまりますが、命を懸ける価値のあるフロドの使命を理解し、死刑の可能性にも動ぜず二人を開放します。
これがメインの筋になります。
サブの筋のひとつめが、人間のアルゴラン、エルフのレゴラス、ドワーフのギムリですが、助かった魔法使いガンダルフとともにローハン国に向かいます。
ガンダルフはローハン国の王を魔力から解き放ち、サルマン率いるオークの大群と戦うことを決意させます。エルフの軍隊もかけつけます。ガンダルフは仲間を求めて旅立ちます。
ローハン国とオークの決戦は激戦となりますが、ガンダルフが連れてきたエオメルの軍隊が間に合い、ローハン国の快勝に終わります。
エオメルは魔力にとりつかれていたローハン王に追放された息子です。
少し蛇足ですが、オークの大群の陣形はファランクスです。ファランクスは正面突破に対しては圧倒的に強いのですが、陣形の転換、移動が極めて困難であるため、騎兵による側面攻撃に弱いという弱点があります。
ですが、ガンダルフたちは正面から騎兵で突撃……というのは、視覚的効果を重視なのでしょう。
もうひとつのサブはホビットの2人です。
彼らは森の中でさまよいます。森の長老たちは、サルマンが兵器を作るために森を切り倒しているのを知り、ホビットの仲間となりサルマンの砦に襲い掛かります。
というところで、第3作へと続きます。
基本的にはキリスト教世界というか、善悪二元論がベースになっています。
悪はボスであるサウロンと、そのサウロンに操られている魔法使い、サルマン。その手下であるオークです。
それ以外が善で、ただし、指輪が善から悪へと引き寄せつ悪魔の役割を果たします。
フロドは他人を悪に染めないために、悪を手もとに持ち続け、自らの強い意志で悪と戦い続けます。
ざっくりと書くと、こういう感じの世界観です。
テーマとしては、古来よりある「命より大事なものがある」だと思います。
構成としては3つのストーリーラインを同時に動かすことで世界観に膨らみを持たせていますが、基本的にはそれぞれが共通の敵のために独立して動いています。直線的なラインが3つ並ぶイメージです。
基本的には神話系統の物語なので、この展開が、世界観にぴったりだと思います。
映像の美しさも見事で、自然豊かな背景を取り入れた実写、CG、ミニチュアなどを組み合わせて、指輪物語の世界観を見事に表現しています。
評価も高く、アカデミー賞でも前作には劣りますが2部門受賞です。
製作費94百万ドルで、興行収入9億47百万ドルと前作をさらに上回る大ヒットとなりました。
映画史に残る傑作を堪能したいひとのために!
2024年01月21日
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