高山右近を主人公とした歴史小説ではなく時代小説です。
本作は昭和24年出版で、終戦後復帰第1作になります。
吉川英治は、資料の少ない少年~青年期は大胆な空想で空白の時代埋めると当時に、人物像を造形していくことがよくありますが、本作は最初から最後までほぼ空想で終わります。
小説で描かれている高山右近は少年期です。
自由都市、堺に修行に出させられ、そこで娘と恋に落ちます。
その娘の取り合いで、筋の悪い武家と争いになります。武家から一騎打ちを申し込まれますが、部下の手によってほぼ強制的に一騎打ちから遠ざけられます。
高山右近は苦労を続けます。武家には追い回され、(ほぼ)山賊にとらわれたりします。
そうこうしながら豊臣秀吉に拾われて運が開け、そして京都での争乱中に武家と一騎打ちになります。
ですが、決着がつかないまま、物語は終わります。
いろいろ調べると、本作は未完のようです。
右近はキリシタン大名として有名ですが、執筆時(昭和23年)の世相から、ある外国人から右近を聖人化するように要請があり、それで放り投げてしまったようです。
いろいろと残念な作品になってしまったな、というのが自分の素直な感想です。
吉川英治の戦後復帰作を読みたいひとのために!
2025年07月27日
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