1975年出版ですが、いまなお通用する良書だと思います。
平将門は『将門記』という軍記物はあるものの、基本的に資料は乏しいです。
資料が限られた中での研究は難しいと思いますが、著者は歴史学者らしく、当時の世相の説明に力を入れています。
当時の地方といえは、中央から派遣された国司(受領)がとにかく横暴で、庶民から税金等をむしり取っていました。
そうした中で現れたヒーローが、平将門です。
本人は反乱をするつもりは毛頭なく、親族間で父の遺領を争い、結果として同族を倒して力を蓄えます。
当時は伴類と呼ばれる地元勢力との同盟関係が力の源泉でした。
力があると思われれば伴類は集まり、ないと思われると離れていきます。
戦国時代のようなピラミッド型の組織ではなかったようです。
そうした時代背景が丁寧につづられていきます。
将門は横暴な受領に抵抗する地元勢力の代表みたいな形で信望を集め、行きがかり上、国府を倒してしまい逆賊となってしまいます。
さて、問題となるのは、逆賊になってから将門から藤原忠平に送られた手紙です。
この手紙が後代の研究者の憶測を呼ぶのですが、これを著者は研究の結果、将門記の作者によるものと看破します。
そういわれると、確かに、すっきりします。
将門記は軍記物ですから。
将門は将門と同じような地元有力者の手によって、滅ぼされます。
その結果、平安貴族たちは新しい時代に対応することを忘れて、新しい時代への変革が遅れたと著者は判断しています。
この後に藤原道長が出ることを考えると、確かにそうだな、と思います。
また、藤原純友の乱についても章が設けられています。
将門だけでなく時代背景を知りたいひとのために!
2025年06月24日
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