絵画を彩った美男美女シリーズその2です。
紹介されている絵画は女性の肖像画だけでなく、男性や神話の世界も含まれています。
その中でひときわ目を引くのは、『ヴィジュ=ルブラン(自画像)』です。マリー・アントワネットのお気に入りで、マリー・アントワネットの肖像画を多数残しています。自身の自画像も、美しいというより、とにかくかわいいです。
この自画像は仕事中のルブランを描いていますが、シンプルな服装に髪の毛をまとめた帽子、さらには赤いサッシュベルトがいいインパクトとなっており、画面が引き締まっています。
当時、彼女は35歳でフランス革命によって亡命中の身ですが、なにより画面全体から前向きな気持ちが伝わってきます。見ているだけで元気になるというか、絵の力を感じる作品だと思います。
ちなみに、当時は有名人の肖像画が人気で、注文がけっこうあったそうです。
伝グレイド・レーニ『ベアトリー・チェンチ』も印象に残ります。
彼女は貴族の子女でしたが、父殺しの疑いをかけられ、拷問によっておそらく冤罪を仕立て上げられ、処刑されます。
その獄中でのひとこま……という話ですが、最近の研究ではモデルも作者も違うという説が濃厚との話。
それでも、この絵が作家スタンダール『チェンチ一族』、画家フェルメール『青い首飾りの女』のインスピレーションの源になったというのも頷けます。
本書で紹介されているクララ・シューマンの人生も印象に残ります。
美貌のひとたちを鑑賞して癒されたいひとのために!
2025年03月13日
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