中野京子の絵画エッセイ、今回は美人がテーマです。
本書は4章に分かれています。
第1章が「古典の中の美しいひと」、第2章が「あこがれの貴人たち」、第3章が「才能と容姿に恵まれた芸術家」、第4章が「創作意欲をかきたてたミューズ」です。
第1章で有名なクリヴェリ「グラタナのマリア」が紹介されています。
作者はルネサンス時代のボッティチェリと同時代人なのですが、手が妙に長いです。
てっきりこれが画家の実力かと思っていたのですが、同作家の別作品をみるとリアルな手になっています。
わざと手を長くして優美さを強調したそうです。
なるほど、と思いました。
古典派は裸体が多いです。神話を言い訳にしていますが、要するにエロの需要は高かったようで。
美人なのはクライムスコイ「忘れえぬひと」かなと思います。
トルストイの肖像画の作者ですが、トルストイの名作「アンア・カレニーナ」のアンナのモデルではないかと話題になったそうです。
どこか愁いを帯びた表情が、なんとも言えません。東洋的な顔立ちも、日本人好みだと思います。
マサイス「醜い侯爵夫人」もインパクト大です。
時代はボッティチェリと同世代になりますが、このような絵が流行していたそうです。
意外や意外です。
絵に関するウンチクがたくさんです。
絵画に残された美貌のひとたちを堪能したいひとのために!
2025年03月11日
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