中野京子による軽妙な絵画エッセイ、聖書編です。
紹介されているのは30作品です。
作品の背景となる聖書の物語がふんだんに記述されているので、自然とキリスト世界にも詳しくなります。
それにしても、中野氏の筆は容赦がないです。
「異教徒である」と明言しているかもしれませんが、アブラハムの非道さに言及すれば、天地創造の矛盾も指摘します。
とはいえ、ユーモアたっぷりの口調なので、異教徒としては面白いです。
キリスト教徒からは怒られるかもしれませんが。
有名な『バベルの塔』の作者がブリューゲルであることを初めて知りました。
カラバッジョ『キリストの召命』の明暗の鮮やかさは素晴らしいです。
ボッティチェリ『東方三博士の礼拝』はパトロンたちを登場させていますが、当時の集合写真の意味合い(しかも有名人との!)があったそうです。
ティッチアーノ『悔悛するグラダナのマリア』は、美しい金髪で体を隠しているような隠していないような感じで、とてもエロイです。
たぶん、それが目的なんだろうなあと思ったり。
聖書にまつわる絵画を楽しみたいひとのために!
2025年02月16日
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