2025年02月11日

【書評】中野京子『怖い絵 死と乙女編』

インパクトのある名画22を紹介です。


怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

  • 作者: 中野 京子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/08/25
  • メディア: 文庫



冒頭を飾るのが、レーピン『皇女ソフィア』です。
レーピンは『イワン雷帝と息子』などのロシアをテーマにした歴史画を描いていますが、そのうちのひとつです。
これは彼女が幽閉されていた時期を想像で描いたものですが、ソフィアの眼力がものすごいです。
精密な筆力と想像力、さらには漫画のような表現手法がミックスされた傑作だと思います。
フーケ『ムーランの聖母子』も印象的です。
これはシャルル7世時代の宮廷画家だったフーケが、王の愛妾であるアニエスをモデルにしたといわれています。
赤と青の天使という大胆な色遣いに、現代的なスタイル。ディフォルメされた胸。1400年代の作品(つまり、ミケランジェロより前!)とは思えません。
ヨルダーンス『豆の王』は中世農村の宴を楽しそうに描いています。とはいえ、現実はまた別なのですが。理想的な農村を描いたのでしょう。
シーレ『死と乙女』、セガンティーニ『悪しき母たち』も印象的ですが、部屋に飾りたいかと言われたらちょっと違う感じ。
他にもミケランジェロ、ボッテイチェリ、ダビンチ、ルーベンスといった巨匠の作品も紹介されています。

強烈な名画を楽しみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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