2025年01月19日

【書評】村上春樹『東京奇譚集』

村上春樹の短編小説集です。


東京奇譚集(新潮文庫)

東京奇譚集(新潮文庫)

  • 作者: 村上春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/12/18
  • メディア: Kindle版



収録されているのは5作です。
ざっくり紹介すると、こんな感じ。
『偶然の旅人』
 ……作者自身が体験した偶然話と知人から聞いた偶然話の紹介
『ハナレイ・ベイ』
 ……サーフィン中に鮫に襲われ死んだ青年の母親が、その浜を訪れる。
『あれそれが見つかりそうな場所で』
 ……階段の途中で突然失踪し男性の謎を追う。
『移動する腎臓のかたちをした石
 ……父から「本当に意味をもつ女性は3人しかいない」と言われてきた青年の話
『品川猿』
 ……名前を盗む猿が品川に現れる。

一番、村上春樹らしいのは『移動する腎臓のかたちをした石』でしょうか。
女性と出会い、性行為を行い、そして別れていく。文体といい、展開といい、凝縮した村上春樹という感じがします。
『あれそれが見つかりそうな場所で』は、異空間への転移というか、他の作品との共通性を感じます。
短いので、気軽に読める短編集だと思います。

村上春樹の短編を読みたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 10:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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