知られざる戦後の陸軍将軍たちと米軍との協力関係についてです。
本書のソースは推測ではなく、公開されたCIAファイルです。公的情報から彼らの戦後の戦いを浮き彫りにします。
第2章でててくるのは、インパール作戦を認可したことで悪名高い河辺虎四郎です。GHQは日本再軍備と台湾義勇軍派遣(根本中将が有名です)に向けて、彼を協力者とします。しかし、担当者だったウィロビーが米国帰国とともに力を失います。第3章で取り上げられる有末精三も同様の運命をたどります。
非常に面白いのは、第6章の辻政信です。
国内では無謀な精神論やノモンハン事件の大敗で悪名高いですが、太平洋戦争初頭のマレー半島作戦、バターン作戦では高評価を得ています。
辻政信は暫く身を隠していましたが、表に出てからは著書が大ヒットし、さらには政界にも打ってでトップ当選を果たすな独自路線を突き進みます。
アメリカとの協力関係により情報提供をしながらも、一匹狼だったためにアメリカの言いなりにもならず、最後は東南アジアで謎の失踪を遂げます。
CIAファイルにその後の辻政信の行方を示唆する手紙が残されており(真偽不明)、それによると中国雲南省で中国共産党に拘束されていたようです。
中国は辻政信を利用しようと考えていたようですが、開放交渉も進まず、その後の情報もないことからとん挫したようです。
知られざる戦後史の一面を読むことができました。
陸軍将軍たちのその後を知りたいひとのために!
2025年01月11日
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