2024年12月10日

【書評】G・K・チェスタトン『ブラウン神父の秘密』

ブラウン神父シリーズの第4作です。


ブラウン神父の秘密【新版】 (創元推理文庫)

ブラウン神父の秘密【新版】 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: 文庫



収録されているのは10作品ですが、書き下ろしの『ブラウン神父の秘密』『フランボウの秘密』は小品で、謎解きはなく、おまけと言った感じです。
『俳優とアリバイ』『メルーの赤い月』のようなピリリとした仕掛けの効いたミステリもありますが、個人的に印象に残ったのは『マーン城の喪主』です。
トリックとしては、このシリーズで何度か使われた『入れ替わり』なのですが、ラストでテーマを前面に出し、何が卑劣で、何が正義かを読者に問いかけてきます。
「みなさんが罪人を許すのは、その人の咎が犯罪ではなく習俗にすぎぬとお考えになるときだけなのだ」は現在にも通じる警句だと思いまます。

ブラウン神父シリーズファンのために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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