2024年05月12日

【書評】南勝久『ザ・ファブル』

累計900万部も売り上げ、2回に渡り映画化されたヒット作です。


ザ・ファブル コミック 全22巻セット [コミック] 南 勝久

ザ・ファブル コミック 全22巻セット [コミック] 南 勝久

  • 作者: 南 勝久
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/06/05
  • メディア: コミック



伝説の殺し屋集団ファブルの最高傑作と言われる男が、ボスの命令で、1年間の日常生活を命じられます。
その間、だれも殺さないことを命じられますが、なんだかんだと事件に巻き込まれてしまう。
本作は3つに分かれてて、最初が匿われているヤクザ関係の争い、次が詐欺・恐喝などを行う闇ビジネスとの戦い、最期がファブル内部同士の戦いです。
本作の魅力は、オンとオフの落差です。
殺し屋同士の戦いなので、ハードボイルド的な描写が多いのですが、その一方で殺人以外は赤子のような主人公の奇妙な振る舞いや、ボスの命令で妹として同居しているヨウコの酒飲み話も笑ってしまいます。
市井に溶け込むように命令したボスの意図は中盤で明かされていますが、ラストは本当に綺麗にまとまっていると思います。
引き延ばそうとしたら引き延ばせる話ですが、ここでピタッと終わらせるところに、この作品の良さがあると思います。
2017年度講談社漫画賞受賞作です。

読後感が爽やかなハードボイルドを読みたい人のために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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