第45回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞作であり、宮部みゆきの代表作のひとつです。
冒頭で超能力少年が登場します。
この時点で微妙な感じがしますし、事件が発生したあとももっさりで、正直冒頭の調子はあまりよくありません。
その事件はひとつの終末を見るのですが、さらにもうひとりの超能力少年が登場することで、物語は複層構造に進化していきます。
そして、主人公の元婚約者が誘拐されるという本筋の事件が発生して、物語はクライマックスへと向かいます。
物語で超能力少年が持つ寂しさ、生き辛さが繰り返し語られます。
もっさりとした冒頭も含めて、クライマックスで超能力少年たちが取る突飛な行動につじつまを合わせるために必要なストーリーですが、なんとなくすっきりしません。
自分が犯人なら、もっと簡単で安全な方法を取るかなと。
いろいろと書きましたが、宮部みゆきの筆力はすごいです。
ところどころ遊びを挟みますが、それがただの遊びではなく、キャラクターに彩りを添える一要素になっています。
長編ミステリ好きなひとに!
2017年04月10日
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Excerpt: 宮部みゆき 朝日新聞社 この小説には主人公はいない。主要な登場人物がインタビューに応えるという形式で話が進んでいく。インタビューする人はだれかは、別に気にしなくてもいい。 組..
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Tracked: 2017-04-13 08:45