第21回坊ちゃん文学賞に応募した作品その2です。
こちらも坊ちゃん文学賞用に「ダジャレネタ」で作った作品です。自己評価は高くないのですが、なぜかChatGPTでは95点になりました。
この作品ですが、とにかくオチに苦しみました。最初は「感想肌ですね」と落とそうとしたのですが、とにかく前半がつまらない。そのため「乾燥肌」を前半から出すことにしたのですが、するとオチが思いつかない。
ということで、具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は5/5発行です。
・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!
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『感想肌』 齊藤 想
博之は在宅のプログラマーだ。必死でこなしてきた徹夜続きの仕事がひと段落すると、いままで抑えてきた不満が次から次へと湧きあがる。
なぜ俺ばかり仕事を振られるのだ。なぜ納期がいつもギリギリなのだ。しかも電話一本で仕様が変更となり、いままでの仕事がパーになることも度々だ。
あまりに多忙のせいで、彼女ともすれ違いが続き、ついに別れてしまった。
ふと気が付くと、パジャマに血がついている。裸になって鏡の前に立つと、肌がまるで水分を失った大地のように割れて、裂け目から血がにじんでいる。
これは皮膚病だろうか。
冷静さを取り戻した博之は、症例をネットで調べ、近所の皮膚科に赴いた。
皮膚科医は博之の肌を確かめ、なぜか学歴を聞き、さらにしつこいぐらいに仕事内容を尋ねてきて、さらに日常生活にまで質問が及び、あげくの果てに彼女と別れたことまで告白させられた。
長い問診がようやく終わったところで、皮膚科医は難しい顔をした。
「間違いありません。これはカンソウ肌ですね」
博之は首をひねった。
「いまは梅雨ですよ。乾燥肌は冬の病気です」
「そっちのカンソウではありません。貴方が罹患したのは、乾く乾燥ではなく、感じる方の感想です」
「感想肌ですか?」
「そうです。感想肌です。ひとつ実験をしてみましょう。貴方はこの絵を見てどう感じますか?」
皮膚科医が、博之の目の前に一枚の紙をかかざした。ムンクの『叫び』が印刷されている。
「ゆがんだ人間が描かれています」
「この絵から不安や恐怖を感じることはありませんか?」
「ただの紙とインクにですか? バカバカしい。絵は襲ってきませんし、掴みかかってもきません」
「なるほど、次はどうでしょうか」
皮膚科医はモニターにテレビ番組を映した。バラエティ番組のようだ。芸人たちが、次々と面白い話を披露している。皮膚科医は大きな声で笑ったが、博之は何のことだかわからない。
「いったい何が面白いのですか」
「それです、それ」
皮膚科医はぽんと手を叩いた。
「これこそ、感想肌の特徴なのです。貴方は全てを論理的に考え、感情を挟まない。そのため、人体が論理的ではない感想を拒否し、感想を聞いたり思い浮かべただけで肌がかゆくなる体質に変化してしまったのです。これは最近発見された症例で、一説にはAIの影響ではないかと言われています。では番組を変えてみましょう。こちらはどうでしょう」
今度は硬派なニュース番組だった。虐殺された人々の死体が積み重なっている。あまりに凄惨なシーンだ。
「死体がたくさんありますが、どこか遠くの国の話ですよね。どうせ、人間はいつかは死ぬのです。私に何の影響もありません」
「この子供の死体を見ても」
「もちろんです」
と博之は言いながらも、かゆみを覚えて、左ひじをかるく掻いた。
「なるほど、まだ希望はありそうですなあ」
皮膚科医はつぶやいた。
「あなたが感想肌になったのは、仕事がひと段落して失っていた感情を取り戻しつつあるからです。幼い死体をみて、僅かながら心が動かされたのがその証拠です。プログラマーとして多忙な日々を過ごし、会話の相手がパソコンやAIだけの日々から抜け出すチャンスです」
皮膚科医は2種類の薬瓶をテーブルの上に出した。
「赤い瓶は感情を抑える薬、青い瓶は感情を高める薬です。このまま感情を消し続けて感想肌とつきあうのか、それとも苦しみながら感情を取り戻す道を選ぶのか」
診察台の上に置かれた薬の色が、妙に毒々しく感じた。
「あとは貴方の選択にまかせます」
博之は皮膚科からの帰り道に、別れた彼女のラインを呼び出した。ごめんなさいのメッセージを書いては消し、書き直してはまた消す。文字をタッチするたびに、全身がかゆくなる。
いまごろになって、彼女になんと伝えたらよいのか。仕事優先で彼女のことはほったらかし。それどころか、彼女のことを邪魔者扱いして、ラインも電話も無視した。痛む心は感情を殺すことで切り抜けた。
その結果が、この感想肌だ。これは自分への罰なのだ。
博之は二種類の薬瓶を川に向かって投げ捨てた。赤と青の薬瓶は、放物線を描きながら水面に落ち、波紋を残して消えた。
博之は電話帳から彼女の電話番号を呼び出した。コール音がなり続ける。彼女が出た。
博之の全身から、血が溢れだした。
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2025年04月14日
最近の金融・投資【令和7年4月第2週】
〔先週の株式市場〕
2日プラスで3日マイナス。
プラスもマイナスも大変動で、もういままでいにないほどのジェットコースター。
で、1週間トータルでは大変動の割にはびっくりするほど少しのマイナス。
日経平均の下がりぐあいからすると、まあ、健闘していると言えなくもないですが。
もっとも上がっても下がっても、配当金目的なので、自分的にはどちらでもという部分もあるのですが。とはいえ、気分的には少しへこみますが。
長期投資のスタンスなので、変動が激しい時はしばらく見るのみ。
〔稲畑産業から株主優待が届いた話〕
稲畑産業の株主優待はクオカードです。
長期保有の特典があり、100株の場合は500円→1000円→2000円と3段階に進化します。
200株だと500円→2000円→3000円、300株だと500円→3000円→5000円とこれまた進化です。
累進配当の方針を打ち出しているので買増してもいいのだが、何かの拍子で株価がドーンと下がったらという感じですかね。
配当利回と見比べつつです。
2日プラスで3日マイナス。
プラスもマイナスも大変動で、もういままでいにないほどのジェットコースター。
で、1週間トータルでは大変動の割にはびっくりするほど少しのマイナス。
日経平均の下がりぐあいからすると、まあ、健闘していると言えなくもないですが。
もっとも上がっても下がっても、配当金目的なので、自分的にはどちらでもという部分もあるのですが。とはいえ、気分的には少しへこみますが。
長期投資のスタンスなので、変動が激しい時はしばらく見るのみ。
〔稲畑産業から株主優待が届いた話〕
稲畑産業の株主優待はクオカードです。
長期保有の特典があり、100株の場合は500円→1000円→2000円と3段階に進化します。
200株だと500円→2000円→3000円、300株だと500円→3000円→5000円とこれまた進化です。
累進配当の方針を打ち出しているので買増してもいいのだが、何かの拍子で株価がドーンと下がったらという感じですかね。
配当利回と見比べつつです。