2025年03月16日

【映画】ハリーポッターと謎のプリンス

いよいよ終幕が見えてくるシリーズ第6作目です。

ハリー・ポッターと謎のプリンス [Blu-ray]

ハリー・ポッターと謎のプリンス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2014/07/16
  • メディア: Blu-ray


ハリーポッターシリーズを見ていると、1~4と5以降で構成が分かれている気がします。
1~4は基本的には1話完結のシーズ。
5からは完全にストーリーが連続しています。
第6作は後半三部作の中盤といったところでしょうか。
映画ですが、今回の新先生はスラグホーンです。彼はトム・リドルの元担任でしたが、引退していたのをダンブルドアが引きずり出します。
中盤はロンの恋愛模様が語られます。
ある女生徒から一方的に愛情を注がれますが、その一方でハーマイオニーはイライラします。
そしてロンが誤って毒酒を飲み、生死不明になったところで、ロンがハーマイオニーの名前をつぶやくことで、ハーマイオニーはロンの本当の気持ちを知ります。
この辺りは、見ていてちょっと恥ずかしい。もっとも、原作は児童文学ですからね。
ハリーはダンブルドアの指示により、スラグホーンの本当の記憶を引き出すことに成功します。
トムリドルは闇の魔法を使って、分霊箱に自らの魂を7つに分けて隠していました。
これが不死の秘密です。
ダンブルドアは分霊箱の破壊を続けてきましたが、力をすり減らしたダンブルドアはドラコが導き入れた闇の力によって追い詰められ、最後はスネイプによって殺害されます。
しかもダンブルドアが収集した分霊箱の中にメモがあり、RABなる人物によって偽物とすり替えられていたことが記されています。
ハリーたちは、ダンブルドアの意思を引き継ぎ、分霊箱を探すことを決意して映画は終わります。
さて、本作ですが連続物の中編みたいな感じで、事件は解決せずに進みます。
あえて書くとしたら、呪いをかけたのはドラコでした、というぐらいでしょうか。
前作でシリウスブラックが死に、本作でダンブルドアの死と、重要キャラの死を連続させることで、いよいよ物語のクライマックスが近づいていることを観客に知らせます。
ハリーは最大の保護者を失い自ら目標を定めたことで、ハリーの少年時代が終わり、大人になったと解釈しました。それは、共に戦うと決意したロンとハーマイオニーも同じです。
体つきだけでなく、精神的にも大人になったことを示した映画ではないかと。
批評家の評価も上々ですが、物語として完結したわけではないので、自分的には評価しにくいかも。
製作費は一気に上がって2億50百万ドルにも達しましたが、興行収入が9億34百万ドルもあるので余裕の黒字だと思います。
映画賞にも多数ノミネートされています。

いよいよラストが近づいた長編映画を楽しみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(0) | 映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第51期岡田美術館杯女流名人戦第2局(福間女流名人VS西山朋佳女流三冠)

福間女流名人の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

女流名人戦は第1局~第3局まで定例の開催地があります。
第1局は冠スポンサーである岡田美術館。
第2局は出雲文化伝承館。
第3局は関根名人記念館です。
今年は第2局こそいつも通りですが、第1局は岡田美術館では開催されずに、関西将棋会館となり、第3局も関根名人記念館ではなく、同じ野田市とはいえ野田市市民会館になっています。
日程変更の影響があったのかもしれません。また岡田美術館については、岡田美術館を運営するユニバーサルエンターテイメントが52期からスポンサーを撤退することもあるかもしれません。
そうしたなかで、第2局だけは例年通りの開催です。
出雲文化伝承館の関係者の配慮には感謝です。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/51/joryumeijin202503160101.html

ということで、将棋です。
振り飛車党の両者ですが、本局は福間女流名人が居飛車を選択して対抗形になりました。
とはいえ飛車先の歩を突かずに、ひたすら玉頭方面を厚くする玉頭位取りというクラシカルな形を採用します。
福間女流名人はときおり採用してますが、上部には手厚くても側面が弱いので、勝ち切るのは大変という印象があります。
しかし、本局では抑え込みが上手くいきます。
網が一か所でも破れるとまたたくまに混戦になってしまいますが、福間女流名人は丁寧に後手の攻めを潰していきます。
手数は長くなりましたが、161手まで西山女流三冠は投了。
玉が詰む詰まないの局面ではありませんが、角損で、飛車も窒息しそうで、さらに時間差も大きいとなっては見込みがないと判断したのかもしれません。
これで福間女流名人の2連勝で、防衛まであと1勝となりました。

第3局は3月30日(日)に 千葉県野田市「野田市市民会館」で行われます!
posted by 齊藤 想 at 18:13| Comment(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第74回NHK杯将棋トーナメント決勝(藤井聡太竜王名人VS郷田真隆九段)

お互いに2度目の優勝を狙います。

〔主催者HP〕
https://www.nhk.or.jp/goshogi/shogi/

将棋界のあらゆる記録を塗り替えそうな勢いの藤井竜王名人ですが、一般棋戦での最難関はNHK杯だと思います。
優勝回数の記録を持っているのは羽生善治九段で、過去11回優勝。4連覇という記録も持っています。
10回優勝すると名誉NHK杯選手権者の称号を得ますが、過去に達成したのは羽生善治九段だけです。
持ち時間10分・30秒の超早指棋戦かつ一発勝負なので、安定して勝ち続けるのは難しい棋戦でもあります。
記録更新まで道のりは長いですが、藤井竜王名人は2度目の優勝を達成することができるでしょうか!

〔棋譜〕
※後日、主催者HPで公開されます。
ということで将棋です。
郷田九段の先手で角換わりとなります。
先手は腰掛銀、後手は早繰銀を選択します。郷田九段の3八金・2八飛が珍しいです。
盤面中央で本格的な戦いが始まり、先手の銀がぐいぐい刷り込んで、最後は角との交換になります。
ただ局面は互角です。
藤井竜王名人の反撃が始まり、桂馬2枚を打ち付けて先手玉を追い詰めていきます。
この桂馬の王手でどこに逃げるかの選択で、どうも先手は間違えたようです。
そのまま藤井竜王名人が押し切り、見事に2回目の優勝を果たしました。
郷田九段は絶対王者相手に終盤まで互角だったので、見事な将棋だったと思います。

藤井NHK杯選手権者おめでとうございます!
posted by 齊藤 想 at 12:56| Comment(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【書評】加藤廣『明智左馬之助の恋』

本能寺三部作のラストです。

「本能寺三部作」明智左馬助の恋 上下巻セット

「本能寺三部作」明智左馬助の恋 上下巻セット

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • メディア: セット買い


明智左馬之助は明智光秀の重臣ですが、その正体は定かではありません。出自も様々な説があり、複数の別名が流布しています。光秀の従弟説もあります。
出自については著者は三宅氏説を取り、明智光秀の娘と幼いころから恋仲だったという設定で物語を始めます。
本書は左馬之助を語り手にして、秀吉との出世競争に明け暮れ、疲弊してく明智光秀を描きます。
明智左馬之介の見事さは、坂本城の明け渡しの逸話です。すでに光秀は山崎の戦いで敗北していましたが、坂本城に残る銘品を失うのは忍びないと、お宝を全て敵方に引き渡します。そして、自害しました。
本書は明智光秀と左馬之助から見た、本能寺を描いていきます。
それぞれのキャラクターや立ち位置がはっきりしており、光秀が真面目な秀才タイプであったために便利使いされて、疲弊していった様子が見えてきます。
著者独自の説もありますが、『信長の棺』『秀吉の枷』と続けて読んでいった読者なら、すんなりと納得できると思います。
本作は著者3作目ですが、1作ごとに文章が上達しているのが楽しいです。

明智光秀側から見た本能寺を読みたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする