今回のハリーは魔法対決です。
シリーズ物あるあるですが、今回は魔法学校同士による魔法対決です。
3学校がホグワーツに集まり、それぞれ代表を選びます。
年齢制限がありハリーは対象外なのですが、なぜか、ハリーが選ばれてしまいます。
ロンは不正をしたと疑い、他のクラスメイトも非難の目でハリーをみます。
しかし、まあ、すぐに仲直りして魔法対決へと向かいます。
第1の課題(ドラゴンとの戦い)、第2の課題(湖の中の人質を救出)をクリアして、第3の課題は迷路です。
迷路を突破して仲間と一緒に優勝杯を掴んだ瞬間に、墓地に飛ばされます。
その墓地ではヴォルデモート卿の復活の儀式が行われており、その儀式にハリーの血が必要です。
つまり、ハリーはこのために、魔法対決に引きずり込まれたのです。
全てを仕組んだ黒幕とは……という感じのストーリーです。
アメリカではシリーズ初のPG-13に指定されたそうです。
生徒が死亡するところが指定された原因かもです。
いつものように、前半の様々な細かい伏線が、後半になって一気に解放される爽快感が満載の映画です。
ハリーが見る不思議な夢。
新しい先生が飲む不思議な飲料(これ、先生の態度から酒類と思わせておくのが上手い)。
ハリーが選ばれた秘密と、適切なサポートが得られた理由。
助けてくれる先生の存在。
こういった伏線と同時並行で、ダンスパーティー等の華やかな映像も楽しめます。
また児童文学らしく、思春期特有の微妙な男女の感情も盛り込んでいます。
そしてラストはヴォルデモート卿の復活。
あれこれ詰め込み、上映時間は157分。
さすがに長いかな、というのが素直な感想です。
批評家の評価は高いですが、自分の感想はアリゾナパブッリック紙の「あまりにも出来事が多すぎる」に近いかな。
少しテーマを絞った方が、統一感がでたような気がします。
課題を通じてハリーの成長を描くのなら、ロンともっと揉めさせても良かったような。
製作費1億50百万ドルで、興行収入9億ドルの大ヒットとなりました。
伝説のシリーズがいよいよ佳境にはいる第4作を楽しみたいひとのために。
2025年03月13日
【書評】中野京子『美貌のひと2 時空を超えて輝く』
絵画を彩った美男美女シリーズその2です。
紹介されている絵画は女性の肖像画だけでなく、男性や神話の世界も含まれています。
その中でひときわ目を引くのは、『ヴィジュ=ルブラン(自画像)』です。マリー・アントワネットのお気に入りで、マリー・アントワネットの肖像画を多数残しています。自身の自画像も、美しいというより、とにかくかわいいです。
この自画像は仕事中のルブランを描いていますが、シンプルな服装に髪の毛をまとめた帽子、さらには赤いサッシュベルトがいいインパクトとなっており、画面が引き締まっています。
当時、彼女は35歳でフランス革命によって亡命中の身ですが、なにより画面全体から前向きな気持ちが伝わってきます。見ているだけで元気になるというか、絵の力を感じる作品だと思います。
ちなみに、当時は有名人の肖像画が人気で、注文がけっこうあったそうです。
伝グレイド・レーニ『ベアトリー・チェンチ』も印象に残ります。
彼女は貴族の子女でしたが、父殺しの疑いをかけられ、拷問によっておそらく冤罪を仕立て上げられ、処刑されます。
その獄中でのひとこま……という話ですが、最近の研究ではモデルも作者も違うという説が濃厚との話。
それでも、この絵が作家スタンダール『チェンチ一族』、画家フェルメール『青い首飾りの女』のインスピレーションの源になったというのも頷けます。
本書で紹介されているクララ・シューマンの人生も印象に残ります。
美貌のひとたちを鑑賞して癒されたいひとのために!
紹介されている絵画は女性の肖像画だけでなく、男性や神話の世界も含まれています。
その中でひときわ目を引くのは、『ヴィジュ=ルブラン(自画像)』です。マリー・アントワネットのお気に入りで、マリー・アントワネットの肖像画を多数残しています。自身の自画像も、美しいというより、とにかくかわいいです。
この自画像は仕事中のルブランを描いていますが、シンプルな服装に髪の毛をまとめた帽子、さらには赤いサッシュベルトがいいインパクトとなっており、画面が引き締まっています。
当時、彼女は35歳でフランス革命によって亡命中の身ですが、なにより画面全体から前向きな気持ちが伝わってきます。見ているだけで元気になるというか、絵の力を感じる作品だと思います。
ちなみに、当時は有名人の肖像画が人気で、注文がけっこうあったそうです。
伝グレイド・レーニ『ベアトリー・チェンチ』も印象に残ります。
彼女は貴族の子女でしたが、父殺しの疑いをかけられ、拷問によっておそらく冤罪を仕立て上げられ、処刑されます。
その獄中でのひとこま……という話ですが、最近の研究ではモデルも作者も違うという説が濃厚との話。
それでも、この絵が作家スタンダール『チェンチ一族』、画家フェルメール『青い首飾りの女』のインスピレーションの源になったというのも頷けます。
本書で紹介されているクララ・シューマンの人生も印象に残ります。
美貌のひとたちを鑑賞して癒されたいひとのために!