2025年03月09日

【映画】ハリーポッターと秘密の部屋

ハリーポッター第2作です。

ハリー・ポッターと秘密の部屋 [Blu-ray]

ハリー・ポッターと秘密の部屋 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2008/06/11
  • メディア: Blu-ray


映画は夏休みに帰省したハリーの様子から始まります。
あいからわず虐められていますが、本作からみたひとのための状況説明も含んでいるのかもしれません。
そこにドビーとなのるホビットのような妖怪が現れ、ハリーに魔法学校に戻らないよう警告するのと同時に、様々な妨害をします。
ロンがやってきて、いろいろあって、学校までたどり着きます。
ここまでが冒頭で、ここから本編に入ります。
前作と同じく魔法学校の日々を描写しつつ、物語のメインである秘密の小部屋へ観客をいざないます。
秘密の部屋は、ようするに、過去の魔法使いスリザリンが、自らの後継者がでてきたときのための悪を潜ませている小部屋です。
その部屋がどこにあるのかだれも知りません。
魔法学校で奇怪な事件が続くにつれ、ロンの妹も、ハーマイオニーも犠牲になります。
緊急事態を受けて、過去に「秘密の部屋」を開けた疑惑のあるハグリッドが連行されてしまいます。
しかし、ハリーとロンは「秘密の部屋」の場所を突き止め、全ての黒幕がヴォルデモート卿であることを知ります。
そして、彼の学生時代の名前がトム・リドルで、スリザリンの後継者です。
ハリーはヴォルデモートが操るバジリスクを倒し、事件を解決します。
というのがざっくりストーリーです。
161分という長い映画ですが、十分に楽しめました。
今回はドビーのあほさ加減と言い、実力のもないのに人気だけで先生になったキャラの定番ギャグといい、分かっていても笑ってしまいます。
賢者の石と同じように、前半ででてきた魔法学校の日常が、後半で伏線となって効いてくる構成も光っています。
謎の出し方もほど良くて、最期のどんでん返しもあり、全体的に非常にバランスの良い映画だと思います。
ハリーが剣で戦うのは、個人的にはどうかなと思う部分もありますが、この辺りは西洋的な感覚なのかもしれません。
アーサー王とか英雄と聖剣はセットみたいな部分がありますので。
批評家の評価として前作を上回っていますが、興行成績としては少し落ちて8億80百万ドルです。
製作費は前作より少し減って1億ドルなので、割合からすれば前作と同様のヒット作です。
そもそも8億ドルを超えることがすごいです。

映画史に名をのこす映画の第2作を楽しみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(0) | 映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第74期王将戦第5局(藤井聡太王将VS永瀬拓矢九段)

藤井王将の3勝1敗で迎えた第5局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/oshosen2025

藤井王将は二日制の将棋で抜群の成績を誇っています。
なんと二日制のタイトル戦での先手番32連勝中でした。ちょっと考えられないほどの記録です。
この記録は第4局で途切れましたが、おそらく更新不可能ではないかと思います。それほどの記録です。
記録を止めた永瀬九段ですが、タイトル戦での藤井戦の連敗を9で止める大きな勝利となりました。
永瀬九段は意外なことに、二日制のタイトル戦での対藤井戦で、先手番勝利がありません。
鉄壁ともいえる藤井王将の先手番をブレイクしたので、今度は永瀬九段が先手番での初勝利といきたいところです。
永瀬九段は第6局へと繋げる白星を挙げることができたでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen2025/250308.html

ということで将棋です。
先手は永瀬九段。後手番の藤井王将ですが、2手目はかならず8四歩でした。
これは先手の作戦は何でも受けるという王者の一手です。
最近のインタビューで8四歩以外を指すかもという話はでていましたが、ここで3四歩を決行です。
雁木模様からお互いに前例のない戦いとなりましたが、2筋から4筋の折衝で有利になったのは藤井王将でした。
3筋を食い破って3七に成桂を作ると、銀に追われたのを幸便に飛車が3筋に展開。今度は先手陣の弱点である桂頭をガリガリ攻めていきます。
金銀3枚で守られていたはずの後手玉は次々に削られ、決め手の飛車切りから寄せに耐え切れず、永瀬九段は投了しました。
120手までの完勝で、これで4勝1敗と藤井王将が防衛に成功しました。

これでタイトル通算28期となり、谷川浩司を抜いて単独5位となりました。
藤井王将おめでとうございます。
posted by 齊藤 想 at 20:45| Comment(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【書評】中野京子『名画で読み解く イギリス王家12の物語』

名画で読み解く名家シリーズ、イギリス王家編です。

名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)

名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)

  • 作者: 中野 京子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/10/17
  • メディア: 新書


イギリスの王様といえばヘンリー8世です。
まさにモンスターな人生でしたが、チューダー朝はヘンリー8世の父で始まり、娘のエリザベス1世で終わってしまいます。
エリザベス1世とフェリペ2世との戦いは、この時期のハイライトです。
もちろん有名なホルバイン『ヘンリー8世像』ティッチアーノ『フェリペ2世像』、ドラローシュ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』も掲載されています。
その次のスチュアート朝は革命の時代です。
先代王のツケを払わされたジェームス1世は議会と対立した挙句にクロムウェルに敗れて処刑されます。
時期に王制は復活しますが、ジェームス2世も名誉革命で追いだされます。
後世の創作ですがドラローシュ『チャールズ1世の遺体を見るクロムウェル』は、クロムウェルの複雑な心境が表にでているような絵で、印象深いです。
その子供の代でスチュアート朝は終わりを迎え、次に現代へとつながるハノーヴァー家へと受け継がれます。
王家はたくさんの肖像画を残していますが、中世の肖像画は超絶技巧もあれば、マンガみたいな絵もあります。
当時の肖像画はお見合い写真のような意味あいがあったようです。だから、適度に美化してくれる画家に人気があったとか。
アントニモス『メアリ1世像』はあまり美化した雰囲気を感じませんが、それはそれで興味深いです。
メアリ1世はヘンリー8世の娘で、エリザベス1世の前の女王です。
フェリペ2世と政略結婚をしますが、子供はできず、異母妹のエリザベス1世になるとフェリペ2世とは敵対関係になります。
とにかくいろいろな人物が入り乱れるので、そこが面白いところでもあり、難しいところでもあります。

イギリス王家の歴史を名画とともに楽しみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする