大ヒット映画の続編ですが、前作の良さの影も形もありません。
前作は「バスの時速が50マイル以下になると爆発する」という設定で大ヒットしました。
しかし、本作は普通のアクション映画になっています。
主人公を演じるのは、前作でヒロイン役だったサンドラ・ブロックです。
キアヌ・リーブスは降板したため、新しい恋人としてジェイソンパトリック演じるアレックスが登場します。
さて映画ですが、冒頭で少しアクションがあります。
そこから本題ですが、本作は豪華クルーズ船での戦いです。
ウィレム・デフォー演じるシステムエンジニア、ガイガーが解雇されたことを恨みに持ち、自ら設計したシステムを悪用して船を乗っ取り、宝石を奪うとともに船を操縦不能にします。
それでいろいろと戦いが続くという映画です。
アクション映画として微妙なのは、ウィレム・デフォーが暴れ始めるまで30分ほどかかるところです。
それまで「告白できそうでできない高校生の恋愛」のような小芝居が続きます。
意味ありげに手話が使える少女との交流もありますが、彼女の存在が事件解決のカギになるわけでもありません。
アクションも目新しいシーンがあるわけでもなく、サンドラ・ブロックを活躍させるために無理をさせている部分も目に付きます。また、夜の話だったのに、気が付いたら真昼間になっているのもマイナスポイントです。
まあ、夜中に船同士を接近させる撮影が難しいというのと、暗闇では映像的に何がなんだか分からないという理由なのだとは思いますが。
本作はラジー賞最低連続賞を受賞していますが、それもやむを得ないかなと。
製作費1億60百万ドルと前作の5倍以上の大金を費やしましたが、興行収入は半分以下の1億65百万ドルの爆死です。
スピード1と2を見比べたいひとのために!
2025年03月04日
【書評】中野京子『名画で読み解く ロマノフ家12の物語』
名画で読み解く王朝シリーズの第3段です。
タイトルは著明な「ロマノフ家」となっていますが、その前のイワン雷帝から続くリューク朝も含まれています。
イワン雷帝が即位した1533年からニコライ二世が退位した1917年まで19代380年の歴史を駆け足でつづります。
ロシア王朝の歴史を見ると、女帝が多く、しかも血族ではない皇帝の妻が2人も即位しています。
しかもエカテリーナ二世は夫の殺害を黙認して戴冠し、領土を拡大し、巨人ピョートル二世と並んで大帝と称されます。
ドイツのフリードリッヒ大王と争い、あと一歩のところまで追い詰めました。
エカテリーナの孫がアレクサンドル一世で、凡庸な君主だったようですが、クトゥーゾフを採用してナポレオンを打ち破ります。
そこから100年、弟のひ孫の代で、ロマノフ家は滅亡します。
ニコライ二世は家族思いのいいひとだったようですが、政治家としてはいまひとつだったようです。日ロ戦争で敗れ、第一次世界大戦で甚大な被害をこうむり、さらには政務を放り出して長期休暇の連続、さらにはラスプーチンがのさばり、どんどん孤立していきます。
日本とはあまりに違う権力争いの激しさに驚かされます。
こうした歴史を、名画を通じて見せてくれます。
ロシアの王朝を駆け足で知りたいひとのために!
タイトルは著明な「ロマノフ家」となっていますが、その前のイワン雷帝から続くリューク朝も含まれています。
イワン雷帝が即位した1533年からニコライ二世が退位した1917年まで19代380年の歴史を駆け足でつづります。
ロシア王朝の歴史を見ると、女帝が多く、しかも血族ではない皇帝の妻が2人も即位しています。
しかもエカテリーナ二世は夫の殺害を黙認して戴冠し、領土を拡大し、巨人ピョートル二世と並んで大帝と称されます。
ドイツのフリードリッヒ大王と争い、あと一歩のところまで追い詰めました。
エカテリーナの孫がアレクサンドル一世で、凡庸な君主だったようですが、クトゥーゾフを採用してナポレオンを打ち破ります。
そこから100年、弟のひ孫の代で、ロマノフ家は滅亡します。
ニコライ二世は家族思いのいいひとだったようですが、政治家としてはいまひとつだったようです。日ロ戦争で敗れ、第一次世界大戦で甚大な被害をこうむり、さらには政務を放り出して長期休暇の連続、さらにはラスプーチンがのさばり、どんどん孤立していきます。
日本とはあまりに違う権力争いの激しさに驚かされます。
こうした歴史を、名画を通じて見せてくれます。
ロシアの王朝を駆け足で知りたいひとのために!