2025年02月06日

【映画】ヒート

アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの豪華共演です。


ヒート [AmazonDVDコレクション]

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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: DVD



主役はアルパチーノ演じる刑事です。
ロサンゼルスで銀金輸送車を襲撃する事件が発生しますが、この主犯がデニーロ演じる犯罪者です。
この二人の人物の対決を主眼に、映画は進んでいきます。
刑事は仕事熱心のあまり、ときおり熱くなり、さらに3人目の妻とも離婚直前になっています、
犯罪者は冷静で、すぐに高跳びできるように深い関係を持たないことを決めています。
しかし、いまの彼女と恋におち、高跳びするときに彼女を連れて行こうと決めます。
なかなか尻尾を掴ませない犯罪者ですが、刑事はハイウェイで彼の車を止めさせて、一緒にコーヒーを飲もうと誘います。
喫茶店で身の上話をするうちに、二人には不思議な共感を覚えます。
犯罪者は最後の仕事として、銀行強盗を実施します。
その後、犯罪者は過去の裏切者を処刑しますが、刑事に追いつかれ、最後は空港での銃撃戦で死亡します。
という感じの映画です。
171分の映画ですが、内容的にちょっと長いかな、というのが実感です。
冒頭で登場したウィングローや、マネーロンダリングの請負人、ヴァンサントなどいろいろなキャラが登場しますが、ちょっと分かりにくいかも。
物語のテーマがいろいろあって、一般客向けには整理したほうが良いのかなと思ったり。
銀行強盗時の銃撃戦は名高いですが、じっくり時間を取ってあることもあり、迫力満点です。俳優陣も熱演です。
評論家の評価は非常に高いですが、製作費60百万ドルで興行収入1億87百万ドルというのは評価と比べると微妙な結果かもしれません。
専門家向けの映画なのかな、と思いました。

二大スターの共演を楽しみたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(0) | 映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第74期王将戦第3局(藤井聡太王将VS永瀬拓矢九段)

藤井王将の2連勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/oshosen2025

永瀬九段が藤井王将の将棋について「勝負にからくなった」との指摘をしています。
細かい話ですが、序盤の端歩に挨拶するかどうか問題があります。
これは端歩に挨拶をするかどうかで居飛車か振り飛車か決めようという作戦なのですが、近年の藤井王将がは相手が居飛車党か振り飛車党かによって挨拶をするかどうか決めているように見える、とのことです。
これは局面における最善手を目指すのではなく、「相手を見る」といういわば勝負術です。
もっとも序盤なので、どちらを選択しても一局と判断している可能性はありますが。
また永瀬九段は藤井将棋について「変化するようになった」とも指摘しています。
研究によって多少不利になっても地力勝負に持ち込むことで打開を図る、というこれも勝負術のひとつだと思います。
さあ本局はどのような展開になったでしょうか?

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen2025/250205.html

ということで将棋です。
永瀬九段の先手で角換わりとなりました。後手藤井王将は最近流行の右玉です。
先手が飛車先の歩を交換したのに乗じて後手も動き、馬を作りますがその馬を消されます。
先手桂馬得ですが、銀が9七に押し込まれるなど駒効率は後手に分があります。
永瀬九段が放ったスナイパー角に、藤井王将は強く3六歩と催促をします。最強の手です。
そこから15手目。銀を取りながらの桂馬の跳躍4四桂が絶好に見えましたが、これが藤井王将の罠でした。
同玉の局面で4六馬引きが絶好に見えますが、後手玉が妙によらない。永瀬九段は方針変更の3八銀と粘りにいきますが、こうなっては形勢逆転です。
4四桂では6二に銀を捨てるのが最善だったようですが、人間技ではありません。
上部に抜けた出した藤井玉には、3筋のと金と龍が心強い味方です。
寄せる見込みのなくなった永瀬九段が投了。
134手まで藤井王将が勝利し、怒涛の3連勝。これで防衛まであと1勝と迫りました。

王将戦第4局は、2月15日、16日に大阪府高槻市の山水館で行われます!
posted by 齊藤 想 at 19:38| Comment(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【書評】中野京子『怖い絵 泣く女編』

絵に秘められた物語を語り掛けてくれる本です。


怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

  • 作者: 中野 京子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/04/25
  • メディア: Kindle版



22作品が紹介されています。
エッシャー『相対性』(永久に水車が回る『滝』が一番有名)のように、見た瞬間に奇妙さが理解できる絵画もありますが、説明を読んでやっと意味が分かる作品もあります。
一番印象に残ったのはカレーニョ・デ・ミランダ『カルロスⅡ世』です。
少年王の肖像画ですが、見た瞬間に普通ではないことが分かります。極端にやせ細った体に知性を失った視線。カルロス二世は近親婚の弊害と思われる様々な障害を持って生まれた子供で、もちろん美化はされているはずですが、それでも絵に痕跡が認められます。
ドラローシェ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』もインパクトがあります。ジェーン・グレイは王位継承権を持っていただけに、周りの陰謀に巻き込まれ、本人のあずかり知らぬとことで瞬間的に王位に担ぎ上げられて、結果として処刑されてしまいます。
彼女の悲劇を知ると、絵の味わいが変わってきます。
有名な贋作であるメーヘレン『エマオの晩餐』もあります。
様々な歴史のうんちくが散りばめられているので、歴史好きにはたまりません。

絵画と歴史が好きなひとのために!
posted by 齊藤 想 at 12:00| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする