2024年12月31日

2024年の映画評ベスト

2024年にUPした映画評のうち、特に印象に残った作品を並べておきます。
あくまで自分基準なので、あしからず。


【S級:自分の中では傑作】
・スタンド・バイ・ミー
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-07-26-13

・スクールオブロック
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-08-21-10

・シンドラーのリスト
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-05-05-2

・シックス・センス
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-17-6

・ヨーシャンクの空に
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-16-4

・丹下左善余話 / 百萬両の壺
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-11-23-5

【A級:オススメしたい映画】
・善き人のためのソナタ 
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-06-03

・Мr.ビーン/カンヌで大迷惑
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-06-04-6

・ロケットマン
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-05-27-3

・博士と彼女のセオリー
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-06-14-13

・CUBE
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-07-08-2

・007/美しき獲物たち
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-06-11

・スパイラルソウ/オールリセット
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-07-08-7

・プリデスティネーション
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-07-30-9

・ギルティ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-08-05

・グラン・トリノ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-20-3

・ブルースブラザーズ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-16-2

・リチャード・ジュェル
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-09-5

・IT/”それ”が見えたら、終わり
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-11-18-9


【B級:楽しめる映画、印象に残る映画】
・ロード・オブ・ザ・リング
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-05-14-3
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-05-14-4
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-05-14-5

・マスター・アンド・コマンダー
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-06-04-3

・フルメタル・ジャケット
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-06-20-1

・バイオハザード・ザ・ファイナル
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-06-28-6

・タイムリミット/見知らぬ影 
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-07-26-2

・ユージュアル・サスぺクツ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-08-08-5

・ペーパーマン
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-08-21-2

・キャストアウェイ 
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-01-15-1

・ゴースト/ニューヨークの幻
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-01-10

・007/オクトパシー
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-06-5

・アメリカン・サイコ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-27-7

・メン・イン・ブラック3
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-20-7

・運び屋
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-20-2

・S.W.A.T.
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-04-7

・ゴーストバスターズ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-03-5

・イコライザー
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-17-4

・アルゴ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-23-2

・ワルキューレ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-29-10

・スーパーマン
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-29-5

・キャットウーマン
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-10-29-4

・スパイ・ゲーム
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-11-11-3

・ターミナル
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-28-12

・鳥人
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-11-18-7




【番外編:珍品】
・アーノルドシュワルツネッガーのSF超人ヘラクレス
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-27-6
 → へっぽこぶりに笑ってしまう。

・007/ムーンレイカー
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-09-06-3
 → やりすぎ007。ジョーズのキャラが最高!

・処刑山/ナチゾンビVSソビエトゾンビ
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-11-29-4
 → いやもう、ナチゾンビの大暴れがたまりません!
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2024年の書評ベスト

2024年にUPした書評のうち、特に印象に残った作品を並べておきます。
あくまで自分基準であり、自分の感覚はかなり変なので悪しからず。


【S級:自分基準で傑作】
・ハンス・ロスリング『FACT FULNESS』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-09-14-1

・早坂隆『戦時演芸慰問団「わらわし隊」の記録~芸人たちがみた日中戦争~』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-08-13-2

・眉村卓『ねらわれた学園』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-09-26

・星新一『進化した猿たち2』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-12-22-2


【A級:オススメしたい本】
・南勝久『ザ・ファブル』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-07-08

・諌山創『進撃の巨人』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-06-21-3

・ポール・フレンチ『真夜中の北京』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2019-12-08-1

・倉知淳『過ぎ行く風はみどり色』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-06-10-1

・清武英利『しんがり~山一証券 最後の12人~』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-12-23

・子母澤寛『新選組始末記』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2022-03-20


【B級:楽しめる、インパクトがある。】
・槇幸『潜水艦気質よもやま物語』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-02-22

・井上靖『敦煌』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-03-24

・髙橋洋一『FACTを基に日本を正しく読み解く方法』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-03-14

・大西喬『艦隊ぐらしよもやま物語』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-03-08

・井上桂一『パゴダと河の戦場~一兵士のビルマ戦記~』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-04-19-1

・葉真中顕『そして、海の泡になる』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-04-08

・早坂隆『日本の戦時下ジョーク集~太平洋戦争編~』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-07-26-1

・福島正実『未踏の時代』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-09-23-3

・筒井康隆『ベトナム観光公社』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-09-14-2

・小松左京『復活の日
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-10-26-1

・勝小吉『夢酔独言』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-10-15-2

・清武英利『サラリーマン球団社長』 
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2022-01-16-1

・話梅子『中国百物語』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2022-01-08-1

・原為一『帝国海軍の最後』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2022-02-16-2

・話梅子『中国の不思議な役人』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2022-02-21


【番外編:珍品】
・萬年甫『動物の脳採集記~キリンの首をかつぐ話~』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2021-05-01-1
 → キリンの首をかつぐ話は傑作です!
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2024年の自作ショートショートベスト

2024年にUPした自作ショートショートのうち、自分がお気に入りの作品を適当に並べておきます。
◎、〇が自分としては特に気に入っている作品です。


〔入賞はしていないけど、お気に入り作品〕
・【SS】齊藤想『フノイさん』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-01-31-4
アイデアとしてはしょーもないのですが、そこがまた好きだったりする。

◎【SS】齊藤想『休暇鳥』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-02-28-1
ダジャレネタのなかではピカ一だと思ったのですが。

・【掌編】齊藤想『しゃぼんの本』 
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-04-12-6
ファンタジー色が上手くかけたなあと。

〇【掌編】齊藤想『プレゼント』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-04-26-1
アイデア段階ではここ数年で1番のデキだと思った作品。なかなか難しい。

・【掌編】齊藤想『傷本屋』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-05-24-1
だれもが疑わない常識を逆転させた綺麗な作品。

・【SS】齊藤想『謙信汁』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-21-5
しょーもない作品ですが、リズムが大好きだったり。

・【SS】齊藤想『不適切課』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-04-14
バカバカしさではピカいちです。

〇【掌編】齊藤想『史上最強棋士は誰だ!』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-24-4
これはもう、自分が楽しんで書いた作品です。

・【SS】齊藤想『最終話』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-08-02-2
一部界隈から怒られそうな作品。

・【SS】齊藤想『迷人戦』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-09-06-6
下らないことを真面目に大げさに、という作品。古館節です。

・【掌編】齊藤想『モナリザの微笑』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-10-02-3
長年温めてきたアイデアを、ようやく形にできました。


〔入賞または選外佳作の作品〕
◎【SS】齊藤想『勇者たち』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-01-02-1
「第27回小説でもどうぞ」で選外佳作をいただきました。ラスト1行の鮮やかさが特にお気に入り。

・【SS】齊藤想『禁酒禁煙禁ギャンブル』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-02-15-1
「第28回小説でもどうぞ」で佳作をいただきました。

〇【掌編】齊藤想『声神様』 
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-03-13-2
「第7回小説でもどうぞW選考委員版」で佳作をいただきました。

〇【掌編】齊藤想『持つべきものは』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-03-19-1
「第29回小説でもどうぞ」で最優秀賞をいただきました。感謝!

・【掌編】齊藤想『落としたオノ』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-05-10-1
「第8回小説でもどうぞW選考員版」で佳作をいただきました。

〇【掌編】齊藤想『キャプテン・スーサイド』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-08-20-4
「第9回小説でもどうぞW選考委員版」で佳作をいただきました。

・【SS】齊藤想『すごい才能』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-11-01-3
「第37回小説でもどうぞ」で選外佳作をいただきました。

・【掌編】齊藤想『変わりゆく町』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-10-25-6
「第3回星々短編小説コンテスト」で1次選考を通過しました。

◎【掌編】齊藤想『子犬のウメ』
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-09-25-5
「第1回Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize」でプラナスミューメ特別賞をいただきました。感謝!
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2024年12月30日

【SS】齊藤想『そうめんVSうどん』

本作は愛媛新聞主催の超ショートショート2022用に書いてボツにした作品です。
超ショートショートはテーマが5つあり、本作では「そうめん」を選んでいます。
本作品をボツにした理由は2つあります。

ということで、具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は1/5発行です。



・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!

―――――

 『そうめんVSうどん』 齊藤 想

 そうめん族はうどん族に嫉妬していた。
 お互いに小麦粉を親とする兄弟なのに、この人気の差は何だろうか。どのスーパーでもうどん族が我が物顔で棚を占拠する一方で、そうめん族は端に追いやられる。
 そうめん族の一生は、うどん族とほとんど変わらない。うどん族と同じように捏ねられ、伸ばされ、茹でられる。違いといえば太さぐらいのものだ。
 長年にわたる迫害に不満が極限まで高まったそうめん族は、ついに決起した。
 そうめん族は、一斉にうどん族に襲いかかった。細長い麺が、少しだけ太い麺に絡みつき、相手を引きちぎろうと必死の戦いが繰り広げられて……
「先生、どうしました」
 ふと我に返ると、看護師が医師の目をのぞき込んでいた。
「あっなんでもない。少し考え事をしていてね」
 医者は眠気を吹き飛ばすために両ほほを軽くたたくと、目の前にいる患者にサナダムシ用の虫下し薬を処方した。

―――――
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最近の金融・投資【令和6年12月第5週】

〔先週の株式市場〕
4日プラスで1日マイナス。マイナスの日も小さなマイナスだったので、1週間でそれなりに上がった。
おかげで12月トータルマイナスからプラス圏内に復帰です。
2024年はブラックマンデーとか石破ショックとかいろいろありましたが、年間を通じれば悪くない相場だったと思います。
2025年はどうなるのか分かりませんが。

〔配当金の計算をした話〕
年末に配当金の再計算をした。1社づつデータを確認し、数字を交信していく。
企業によって増減はありますが、増配株の方が多く、トータルでは5月頃と比べると、9%の増になっています。
これは大きい。例年は3~4%の増というイメージがあったので、自分でもびっくりです。
近年のインフレ傾向が反映されたというのもあるかも。
2025年もさらに配当を増やすために株式投資に取り組みます。はい。
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2024年12月29日

【映画】300<スリーハンドレッド> / 帝国の進撃

300<スリーハンドレッド>の続編で、サラミスの海戦が舞台です。


300 〈スリーハンドレッド〉 ~帝国の進撃~ [Blu-ray]

300 〈スリーハンドレッド〉 ~帝国の進撃~ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/06/03
  • メディア: Blu-ray



コンセプトは『300』と同じです。
戦史上有名な海戦を舞台にしていますが、歴史考証は完全無視で、政治状況や時代背景も無視して、とにかく戦いに全振りです。
主人公は古代ギリシャ最大の英雄テミストクレスです。
彼のすごさは、10年前からこの海戦を予期して海軍を増強したことにあるのですが、映画では一切ふれられません。
海戦ですが、なにせ紀元前480年の出来事であり文献も少なく、細かなことは分かっていません。
だからイマジネーションを広げる余地があるのですが、それにしても、ちょっとやりすぎ感があります。
ペルシア海軍の最高司令官が女性で、かなり無慈悲な人物として描かれています。
戦いのプロという設定ですが、戦いの様子からして戦術眼はまったくないようです。
彼女の奇策として、原油を海に流して火薬を投げつける火計をしかけ、ギリシャ海軍に大ダメージを与えますが、もちろんこのような史実はありません。
そもそも、この時代に火薬はないような気が。
ラストで陸軍国であるスパルタが参戦しますが、戦場に接近すると帆をたかく掲げますが、普通は逆ですね。
帆を掲げていると細かい動きができないので、帆を畳んで櫂で動く……とかいう歴史考証をするような映画ではありませんね。
ギリシャ側は自由を求めて戦うという設定ですが、この当時の戦争は負ければ奴隷として売られてしまうので、そんな柔なものじゃないような。生きるか死ぬかです。
あれこれつっこみところが多く、ファンタジー映画とはいえ、さすがにやりすぎかなあ、というのが自分の感想です。
テミストクレスは指揮官。政治家として有能なのであり、スパルタのような戦闘力勝負の人物ではないので、演出の方向がズレているといいますか。
CGを多用した戦闘シーンは迫力満点です。
製作費1億10百万ドルに対して、興行収入3億38百万ドルと好成績をあげました。

古代ギリシャを舞台にしたファンタジー映画を楽しみたいひとのために!
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【書評】岩根圀和『物語 スペインの歴史~海洋帝国の黄金時代~』

セバスチャン大活躍です。


物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)

物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)

  • 作者: 岩根 圀和
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/04/01
  • メディア: 新書



本書はイスラムがスペインを占領したころから始まります。
700年を超えるイスラムによる統治ですが、宗教的には寛容で、宗派が異なる人々たちがいさかいもなく生活していたようです。
1500年ころからはキリスト教の世界です。
1571年に有名なレパントの海戦が起きますが、このあたりはドン・キホーテの作者であるセバスチャンの視点で歴史が語られます。
海戦に参加したと思えば、捕虜として捕まり奴隷となり、しかも再就職用に王の手紙を持っていたことから高位な人物と勘違いされてしまうという、まさに本人そのものがエンターテイメントな人生を送ります。このあたりの描写が一番面白いです。
そして、スペイン無敵艦隊の敗北で、スペインは一気に落日へと向かいます。
最後に現代スペインが取り上げられています。執筆時はETAによるテロが頻発していたころで、ひしひしとテロに対する怒りが伝わってきます。

スペインの歴史を楽しく読みたいひとのために!
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2024年12月28日

【映画】300<スリーハンドレッド>

歴史上有名なペルシア戦争のテルモピュライの戦いを描いたアクション映画です。


300〈スリーハンドレッド〉 コンプリート・エクスペリエンス [Blu-ray]

300〈スリーハンドレッド〉 コンプリート・エクスペリエンス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray



少し歴史の話を。
ペルシア戦争とは、紀元前499年~紀元前449年に起こったペルシアとギリシア連合の戦いです。
テルモピュライの戦いは、第2回進攻時に起こった戦いで、僅か300のスパルタ兵を主体とするギリシャ連合軍が谷間に立てこもり、20万以上ともいわれるペルシア軍と互角に渡り合い、最期には全滅します。
「300」だけで通じるほど、戦史上有名な戦いです。
主体となるスパルタですが、軍事力に全振りしたダメダメ国家です。
経済も文化もダメダメで、極端な内向き国家で、大量の奴隷をわずかなスパルタ人で押さえつけている国です。
ペルシアの大軍が攻めてきたときも、国家の重要行事である「カルネイア祭の最中である」ということで拒否し、300を派遣するだけでも異例のことというまさに内向き国家の面目躍如です。
主人公はスパルタ王ですが、実はスパルタ王とはちょっと特殊な存在で、国家の代表者ではなく戦争になると軍隊を率いる司令官という位置づけです。実質的な権力を握るのは、1年交代のエフォルイという監察官みたいな存在です。
そのため、300という全滅必死の戦いでも、スパルタ王は前線に向かいます。
映画ではこのあたりの制度の説明は割愛されているので、ちょっと分かりにくいかもしれません。
さて映画ですが、完全なアクション映画です。
当時のギリシアの政治関係もすっとばして、とにかく戦争シーンを描くことに全振りです。
それなりに史実に沿いながらも、歴史考証もへったくれもなく、演出優先で進みます。
現実にはありえない大きさの象部隊が襲ってきたり、サイ部隊にいたってはなんだかなあ。
そもそも主人公のレオニダス1世が当時60前後と推測されているのに、40前の役者が演じているし。
けど、ここまで歴史考証を無視してくれると、逆に清々しいです。
ペルシア人をデタラメに描いているのでイランから苦情が来ますが、「この映画は、単にイラン人とスパルタ人の戦争物語を、史実と異なる形で語っているもので、歴史を正確に伝えるものではない。」との回答はジョークとして捉えると秀逸です。
歴史映画として見るとダメダメですが、アクション映画として見ると、派手で楽しめると思います。
ちなみにスパルタのメインは重装歩兵なので、ちゃんと鎧を着ているはずです。
ほぼ裸というのは、おそらく後世に描かれた絵の影響かと思います。
ただ、絵の場合は「神は裸」というルールがあり、神様扱いされていただけだと個人的には思っていたり。
製作費65百万ドルに対して興行収入4億56百万ドルの大ヒット映画となりました。

戦史上有名な300を舞台にしたアクション映画を楽しみたいひとのために!
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【書評】薩摩秀登『物語 チェコの歴史』

日本ではなじみの薄いチェコの歴史についてです。


物語チェコの歴史―森と高原と古城の国 (中公新書)

物語チェコの歴史―森と高原と古城の国 (中公新書)

  • 作者: 薩摩 秀登
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/03/01
  • メディア: 新書



チェコは少し前の世代だと「チェコスロバキア」という名称に記憶があると思います。
本書はチェコの通史ではありますが、書籍作りに情熱を燃やしたメラントリフ、チェコを訪れたモーツアルト、1891年の博覧会でそれぞれ1章を費やしています。
そういう意味で、断片史でもあります。
チェコの歴史は7世紀頃から始まり、スラブ民族の国になります。
感覚的に、チェコは日本だと大名に近く、独立しているものの神聖ローマ帝国に従うことが多いという印象です。
第二次世界大戦後は共産主義圏に取り込まれますが、そのあたりもさらりと書いてあります。
聖女アネシュカの話は興味深いです。

チェコの歴史に興味のあるひとに向けて!
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2024年12月27日

【公募情報】にいがたショートストーリープロジェクト2025(掌編・2/28〆)

にいがたが熱いです。

〔主催者HP〕
https://www.wavecreation.jp/story/

にいがた経済新聞がNIIKEI文学賞を創設したばかりですが、それとは別ににいがたショートストーリープロジェクトもあります。
NIIKEI文学賞が今年で2回目、こちらのプロジェクトは3回目の様子なので、新しい試みがどんどんでている感じがします。
「素敵な作品は書籍化し、朗読イベントや読み聞かせを行い」とあるので、作品が広く読まれるチャンスです。個々のHPにも掲載してもいいというのが珍しいです。
制限文字数は400~3000字程度、応募締切は令和7年2月末です!

<募集要項抜粋>
募集内容:掌編等
テーマ :新潟のエッセンスを加える
発  表:HP、作品集の出版、朗読イベント等で発表
制限文字数:400字~3000字程度
応募締切:令和7年2月28日
応募方法:主催者HP
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