アンダーワールド1で主要キャラだったルシアンの若き日を描きます。
映画の冒頭で、軽く狼族(ライカン)と吸血鬼(バンパイア)との関係が描かれます。
吸血鬼族は狼族を奴隷にして、豊かな生活を送っていました。
ルシアンは狼族で初めて自由自在に狼から人間に戻れるタイプです。
そのためルシアンは奴隷でありながら特別扱いされ、鍛冶屋として生活しています。
吸血鬼族の君主はアンダーワールド1で長老として登場したビクターです。
ビクターの娘はソーニャで、勇敢な戦士でした。
ところが、ソーニャは異種族であるルシアンが恋に落ちてしまいます。
ルシアンは戦いに出たソーニャを助けるために掟を破ってしまい、むち打ちの刑を受けます。
ルシアンは奴隷の立場から脱出するために、戦いを決意します。
とまあ、こんなストーリーです。
物語の中盤で、ルシアンが立ち上がるシーンがあります。
そこから二人の密かな恋物語から、現在の境遇からの脱出劇へとシフトチェンジします。
二人に同情的な人物の助けを借りてルシアンは仲間を連れて脱出します。
しかしソーニャは秘密の関係がばれて軟禁されます。このあたりがミッドポイントでしょうか。
逃走していた主人公が、今度は反撃に出ます。
ソーニャはビクターに捕らわれて処刑されしまいますが、ひとり残されたルシアンは危機一髪のところを、仲間に救われて、ラスボスであるビクターとの一騎打ちを制してます。
が、実はビクターは逃げていて、鉄の棺桶にて長い眠りにつくところで映画は終わります。
助からないとアンダーワールド1に繋がりませんからね。
全体的にひねりが少ない気がしますが、定番通りの堅いストーリー展開かなと思います。
最初に世界観を提示し、次に恋愛と物語の方向性が示され、後半は逃亡から反撃です。
本来は何回か作戦を失敗させるところですが、仲間を助けきれない、ソーニャの脱出失敗など、本人以外の部分での失敗という点では緊迫感にかけるかもしれません。また、中盤のソーニャがルシアンに「明日処刑される」と告げるタイリミットのシーンも、取ってつけたような唐突感があるかもしれません。
吸血鬼という設定ですが、吸血鬼らしいシーンは陽の光を浴びると燃えるところと、血を吸うことで記憶を読み取るシーンぐらいです。
吸血鬼一族は科学者集団らしい設定で、科学を一切持たない狼族との対比を際立たせています。
もっともこの吸血鬼が科学的な武器を使うところは、アンダーワールドの世界観ぐらいでしょうか。
ちなみに、いままでの主人公であるセリーン(ケイト・ベッキンセイル)は一瞬しかでてきません。
製作費35百万ドルで興行収入91百万ドルは成功だと思います。
アンダーワールドの世界観を広げる前日譚を知りたいひとのために!