2021年06月11日

【公募情報】2021年度埼玉文学賞(短編・8/31〆)

今年で52回目なので、長寿の地方文学賞です。

〔主催者HP〕
https://www.saitama-np.co.jp/main/bungaku/index.html

地方文学賞というと、自治体か地方紙が主催していることが多いです。
埼玉文学賞も主催は埼玉新聞です。
新聞社の経営危機がつたられていますが、本公募はメガバンクのひとつである埼玉りそな銀行が協賛しているので、おそらく今後も続いていくと思われます。
テーマについてですが、県内在住・在勤・在学者の場合は自由。県外者の場合は、埼玉の事物、風土、人間、歴史など埼玉との関わりをテーマ、と若干の制限があることにご留意ください。
制限枚数は原稿用紙50枚以内、応募締切は令和3年8月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:短編小説
テーマ :県内在住・在勤・在学者の場合は自由
     県外者は埼玉との関わりをテーマ
知事賞 :100万円
制限文字数:800字以内
応募締切:令和3年8月20日
応募方法:メール、郵送
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(34) | 公募情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月10日

【書評】奥宮正武『真実の太平洋戦争』

太平洋戦争の大半を第一線の海軍参謀として過ごした著者が見た太平洋戦争です。


真実の太平洋戦争 (PHP文庫)

真実の太平洋戦争 (PHP文庫)

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1988/12/01
  • メディア: Kindle版



著者は海軍上層部に在籍していただけに、当時の日本の雰囲気をよく伝えていると思います。
日本は米国に勝てないと分かっていながらジリ貧を避けるために戦争に突入したこと。
陸海軍の統合作戦ができず、非効率だったこと。
人事の硬直化により、セクショナリズムが横行していたこと。
海上輸送力の貧弱さ、とくに揚陸艦がなかったことが損害を増やしたこと。
著者の思いは、もう少しましな戦いができたはず、ということだと思います。
全世界を横断的に見渡せる人材の不足、さらにはそうした人材を育てる教育機会の不足が、悲劇的な戦争に引きずり込まれていった遠因ではないかと思いました。
「わが国やドイツの航空部隊に撃墜王かそれに類する人が多数いたのは、交代要員が著しく不足していたことを示す特異な例と考えるべきではないか」との言葉は考えさせられます。
現代にも通じる話だと思います。

太平洋戦争をよく深く知りたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(18) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月09日

創作状況【6月上旬】

ワクチン接種が加速してきました。やればできる!

【サイトーメルマガ第165回の内容紹介】
◆こんな公募に挑戦してきました 第8回星新一文学賞
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第75回)
◆公募情報数点
 来月のテーマは「物語のオチについて」です。
 次回発行は7月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
 https://www.arasuji.com/mailmagazine.html
 ※ページの下の方に登録フォームがあります。

【ショートショートガーデン】
百物語用のボツアイデアを順番に出していきます。
だいぶ前のことですが、「児童文学で母親を悪役にするのはNG」と聞いたことがあるのでボツにしました。
ただ、いまはどうなんでしょうか?

〔葬式と登校拒否〕
https://short-short.garden/S-uCTpBn

【TO-BE小説工房】
テーマ待ちということで。

【SSスタジアム】
結果発表までのんべんだらりん。

【星新一賞】
第8回星新一賞受賞作品を順番に読んでいきます。

・優秀賞『詠人不知 よみびとしらず』 明野海
孤島で繁殖する植物学的に貴重なハマツキを虫害から守ろうとする話です。
ハマツキを食い荒らす害虫の天敵を導入することでハマツキは守られたかと思われましたが、かえって絶滅への速度を増していきます。
その理由は……というストーリーです。
どこまで科学的な厳密性を求めるかという部分がありますが、まず天敵を導入しただけでは劇的に害虫を減らせません。
過去に同様の措置を行った事例からは、天敵では減らせず、不妊処理をほどこした害虫を数年に渡って大量に放つ必要があります。
また、遺伝的同一性が進捗しているため危機に瀕しているという設定ですが、狭い孤島で受粉を繰り返すことで同一性が進捗する理由がよく分かりませんし(孤島で繁殖しているのは昔からだし)、遺伝的同一性が進んだら急速に絶滅するというのもよく分かりません。
自らを守るために変異体が登場したにしてもあまりに変化が速すぎますし、そんなに変異が早いなら、そもそも多種多様なハマツキが咲き乱れているように思います。
設定が矛盾しているような気がします。
変異体は花粉を媒介する虫としてチョウを呼び寄せますが、チョウは飛翔能力が低いため、ほとんどの花粉はハチによって運ばれます。現実感に欠ける気がします。そもそも風媒が突如として虫媒になるのは、進化が突飛すぎる気がします。
さらに主人公は植物学者ですが、枯れた植物と、黒く変異した植物の区別がつかないのは、学者としてどうかと思います。
とまあ、ストーリーとは関係のない部分でいろいろ気になってしまいました。
どうもすみません。

【創元SF短編賞】
来年用の作品はできているので、しばらく放置です。

【坊ちゃん文学賞】
受賞作をじっくり読んで雰囲気は掴んだ気になったので、ボチボチアイデアを集め始めます。はい。

【福島正実SF童話賞】
推敲を始めましたが、冒頭が決まらない。たぶん、キャラのイメージ不足。もっともっと想像力を掻き立てたい。

【ゆきのまち幻想文学賞】
小冊子が来たら、分析をしてメルマガのネタにします。はい。

【ミステリ関係】
書きなおしたい作品があるのだが。
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(31) | ぼくの公募状況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月08日

【公募情報】歯の俳句・川柳大募集(俳句・7/31〆)

8月19日は”はいく”の日だそうです。

〔主催者HP〕
https://8iku.com/575/

主催者は公共団体かと思ったら、歯科医院・歯科技工所向けに歯科器材の製造販売を行う民間会社でした。
主催者の株式会社松風はもうすぐ創立100周年を迎えます。
過去数回の受賞作を見ると、テーマに寄り添った作品が選ばれているようです。
俳句と川柳を比較すると入賞は川柳が多いですが、これはおそらく応募数の違いで、率的には俳句のほうがよさそうです。
大賞も俳句が多そうですしね。
応募締切は令和3年7月20日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:俳句、川柳
テーマ :歯に関するもの
最優秀賞:図書カード1万円
応募締切:令和3年7月20日
応募方法:インターネット
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(14) | 公募情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月07日

【書評】井上芳太外『生命ある限りを国に捧げて~リバイバル戦記コレクション② 証言・昭和の戦争』

立場が異なる海軍軍人の回想記です。


生命ある限りを国に捧げて (証言・昭和の戦争 リバイバル戦記コレクション)

生命ある限りを国に捧げて (証言・昭和の戦争 リバイバル戦記コレクション)

  • 作者: 井上 芳太
  • 出版社/メーカー: 光人社
  • 発売日: 1990/02/01
  • メディア: 単行本



回想記を寄せているのは、上部見張員、主砲発令所長、航海士、重巡艦長、軽巡航海長とバラエティに富んでいます。
それぞれが戦場での実体験を語りますが、対空砲火は本当に当たらないものだなあと感じます。
空から襲われたら基本的に逃げるだけ。爆撃で海面は沸き立つ鍋のようになる。
機銃掃射での死者が多いこと、至近弾でもかなりのダメージを受けること、何発か食らっても浮いていれば意外と修理が効くことなど、興味深い話がたくさんです。
テレビやゲームのイメージとは、また異なった感想を持つと思います。

あの戦争を最前線の兵士の立場から知りたいひとのために!
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(22) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月06日

第92期ヒューリック杯棋聖戦第1局(藤井棋聖VS渡辺明三冠)

渡辺三冠がリベンジマッチに挑みます。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/

タイトル挑戦には何連勝も必要ということもあり、奪取された直後のリベンジマッチというのは例が少ないです。
棋聖戦でリベンジマッチを達成した棋士を挙げると、大山康晴、中原誠、谷川浩司といった時代の覇者となった面々ばかりです。
リベンジマッチというと、第60期王座戦を思い出します。
渡辺明に王座を奪取された羽生善治がすぐにリベンジマッチを達成し、奪い返してそこから5連覇しました。
通算タイトル獲得数を99期まで伸ばせたのは、このリベンジマッチで奪い返したことが大きいと思います。
渡辺三冠と藤井棋聖との番勝負はこれで2度目です。
初顔合わせでは1勝3敗というスコア以上の差を感じたシリーズでしたが、この先を考えると、ここは本気になって取り返しに行くべき局面だと思います。
さあ、渡辺三冠は対藤井戦の秘策を用意できたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/92/kisei202106060101.html

ということで、将棋です。
いまもっともホットな戦型である相掛かりへと進みます。
渡辺名人というと作戦家で、事前に綿密な準備をして対局にいどみます。対局前のインタビューからも、藤井棋聖とのタイトル戦に大きな決意を持っていることは明らかです。
お互いの主張がぶつかり合う展開になりますが、59手目の段階まで渡辺名人の消費時間は1時間、藤井棋聖は2時間21分とこの辺りまで想定局面ではないかと思われます。
渡辺名人も局後に午後すぐあたりまで想定してたことを語っています。
ただ、AIだとここ数手の手の評判が悪く、評価値が藤井棋聖側に振れ始めます。
渡辺棋聖が初めて長考したのは、61手目です。
1時間20分の長考の末に、藤井棋聖の手裏剣、8二歩を無視して踏み込みますが、おそらくこの局面で思わしくないことに気が付いたのではないかと思われます。
この時点で「局面と時間をリードして終盤を迎える」という渡辺名人のゲームプランは崩壊していたのかもしれません。
さらに藤井棋聖の66手目の遊んでいる桂馬をぶつける3三桂が好手で、一見すると後手は危険そうですが、まだ安全だと見切っている藤井棋聖の終盤力が光ります。
以降は自玉を安全にして勝ち切る劇辛流の指し手で、90手まで藤井棋聖がまずは先勝しました。
作戦家である渡辺名人にとって、先手番を落としたのは痛いです。

第2局は6月18日(金)兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われます!
posted by 齊藤 想 at 21:46| Comment(9) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月05日

第4回abemaTVトーナメント【予選Cリーグ】

〔主催者HP〕
https://abema.tv/video/genre/shogi

Cリーグは以下の3チームです。
 チーム豊島:豊島竜王、佐々木大地五段、大橋貴洸六段
 チーム羽生:羽生善治九段、中村太地七段、佐藤紳哉七段
 チーム木村:木村一基九段、佐々木勇気七段、池永天使五段

最初の放送はチーム木村とチーム豊島。
毎回のようにフィッシャールールでの強さを見せつけている木村九段が3連勝。恐ろしい47歳です。佐々木勇気七段と池永天使五段もそれぞれ1勝を挙げて、優勝候補の一角が5―2で快勝です。
次の放送はチーム豊島とチーム羽生です。
メンバーの平均レーティングからすると苦戦が予想されたチーム羽生ですが、リーダーの羽生九段が豊島竜王戦との勝利を含む2勝1敗と気を吐いたものの、中村太七段と佐藤紳七段が2連敗で2―5と崖っぷちです。
最後のチーム羽生とチーム木村ですが、中村太七段がチーム木村を全員なぎ倒す気迫の3連投3連勝があり、チーム羽生に希望をもたらします。
佐藤紳七段が負けますが、ここから羽生九段の3連投で2勝1敗と切り抜け、なんと全チーム得失点0で並びます。
トーナメントにとるリーダー同士の1番勝負ですが、当たりくじを引いたのは羽生九段。奇跡の予選突破が決定です。
さて1回戦の豊島竜王と木村九段の一戦ですが、フィッシャールールに圧倒的な強さを見せる木村九段が勝利し、これでチーム木村も予選突破決定です。
豊島竜王は去年に続き、予選で姿を消しました。
Cリーグ1位を決める羽生九段と木村九段の一戦ですが、ここでも木村九段が快勝して1位通過決定です。
Cリーグですが、木村九段の強さが光ります。強豪や若手揃いなのに、6勝1敗はもう圧倒的です。
羽生九段も4勝3敗と1つの勝ち越しですが、後のない対戦では連勝し、不利になってもなんだかんだと勝負系にしてしまう実戦的な強さが光りました。

来週から予選Dリーグが始まります!
posted by 齊藤 想 at 23:59| Comment(22) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月04日

最近の日常【令和3年6月上旬】

〔ツバメの巣〕
5月ころになると、ツバメが巣をつくる。
毎年同じ場所に巣ができるので、たぶんペンギンと同じく一生同じツガイで暮らすのだろうなあと思っている。
ネットで調べると、その説が有力らしい。
で、その子供らしいツガイが隣に巣をつくっているのだが、何年か前に2つ並んでいた巣がひとつになった。
たぶん親ツバメは天寿を全うしたのだろう。
ツバメの寿命を調べると、15~16年らしい。
子ツバメの長寿を祈ります。合掌。

〔突如としてアクセス1万越え〕
ブログのアクセス数は数百で安定していたが、突如として1日だけ1万を超える。
AbemaTVトーナメント予選Bリーグの記事を書いた日だけど、どこかで紹介されたのかもしれない。
それから概ねアクセス数が1000を超える水準で推移している。
あくまで自然体で続けていますが、アクセス数が増えると嬉しいものです。
So-netのブログカテゴリ「本」ランキングでも、一瞬だけ2位に踊りでる。
基本的に雑多なブログですが、アクセス数の推移をみると、なんとなく将棋ブログと認識されている模様(笑)
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(19) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月03日

【将棋ウォーズ】5月の対局結果

15局遊んで、10勝5敗の勝率0.666でした。

〔将棋ウォーズ〕
https://shogiwars.heroz.jp/

サブアカウントでは10秒将棋で遊んでいます。
振り飛車専用にして変な作戦ばかり採用して勝率5割り以下を目標にしていたのだが、気が付いたら中飛車一本足打法みたいになってしまった。
三段以上とマッチメイクされると、さすがに奇襲はなあと、しり込みしてしまいまして。
自宅に湯川博士『奇襲大全』という本がある。
この本を読むと、世の中には奇妙な作戦がたくさんあるなあと、しみじみ感嘆する。
エフェクト関係なくもっと変な作戦を採用してみようかなと思う今日このごろ。
posted by 齊藤 想 at 21:00| Comment(17) | 将棋日誌(目標二段) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月02日

第32期女流王位戦第3局(里見香奈女流王位VS山根ことみ女流二段)

里見女流王位の2勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

文集オンラインに、山根ことみ女流二段のインタビューが掲載されています。
https://bunshun.jp/articles/-/44918?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink
プロが撮影しているだけあって、なにより写真が綺麗です。
日本将棋連盟も雑誌のプロに撮影してもらえれば、もっと魅力的になるのにと思います。
山根女流二段が始めて将棋大会で優勝したのは小5ですが、なんと将棋を始めて1年も立っていなかったそうです。
詰将棋が好きだが、作戦は知らない状態だったので、全国大会までにと四間飛車の勉強をしたそうです。
このあたり、ひたすら詰将棋で勉強した村山聖に似ています。
インタビューにはまだまだ面白い話がありますが、それはぜひとも記事を読んでください。
山根女流二段は松山将棋センター出身です。
さあ、山根女流二段は、松山将棋センターにタイトル戦初勝利の朗報を持ち帰ることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/32/joryu-oui202106020101.html

ということで、将棋です。
戦型はいつものように相振り飛車となりましたが、本局は先手向かい飛車対後手三間飛車です。
相振り飛車において、向かい飛車は玉頭を直撃するので理想形と言われますが、後手の里見女流王位は序盤早々に飛車をぶつけます。
後手玉はちょんまげ美濃の形となり弱体化しましたが、飛車を持ち合えば振る場所は関係ありません。
これが本局のテーマなのかもしれません。
里見王位が先に龍を作りますが追い返され、うまい催促で先手に香車1本得されて後手苦戦です。
山根女流二段のペースで進みますが、101手目から105手目にかけて桂馬で龍角の両取をかけた手順が、技が掛ったように見えて疑問だったようです。
体が入れ替わった里見女流王位は、薄い山根玉を香車と桂馬で追い詰めていきます。
先手は上部脱出に望みをつなげますが、時間に余裕のある里見女流王位が慎重に局面を進め、150手まで盤石の態勢で勝ち切りました。
これで3連勝で女流王位を防衛し、歴代単独第1位となる通算44期目のタイトル獲得となりました。
山根女流二段はタイトル戦初勝利を目指して最後まで頑張りましたが、女王の壁は厚かったと思います。

里見女流王位おめでとうございます!
posted by 齊藤 想 at 19:06| Comment(21) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする