〔充電用USBケーブルが次々とダメになる話〕
基本的に100均で買いだめしているが、次々とダメになる。
それぞれに部屋に充電利きがあり、適当にUSBケーブルを挿しているのだが、気が付いたら使えなくなっている。
経年劣化なのかどうかはよく分からない。たぶん自分の携帯が古くて、充電ケーブルの挿入口にガタがきているので、接触不良になりやすいという面もあるかもしれない。
まあ100円なのでついつい適当に買い替えてしまうのですが。
最近はCとマイクロBを兼用するタイプがあって、基本はマイクロBですが帽子をかぶせることでCに早変わりという優れモノで、けっこう重宝しています。
〔大掃除の話その2:スーツをクリーニングに出した話〕
年末恒例の行事だが、スーツをクリーニングに出した。
合計で3着。最近は在宅勤務が普及したこともあり、少な目。
だいたい4千5百円なり。
いままであまりクリーニング代を考えたことはなかったけど、けっこう高いのね。スーツ自体が安物なので、買いなおしても、という気持ちにもなってくる。
とはいえ買いに行くのも面倒なので、結局はクリーニングに出し続けているのですが。
2025年01月22日
2025年01月21日
【映画】マイノリティ・リポート
フィリップ・K・ディック原作の傑作SF映画です。
舞台は近未来のアメリカです。
3人の予知能力者により殺人事件は事前に防止されるようになった社会。
主人公のアンダートンは、犯罪予防局に勤める刑事です。
彼は予知能力者による予知に基づき、犯罪防止に努めていましたが、ある日、自分が殺人者となる未来を予知されてしまいます。
アンダートンは逃亡し、真実を突き止めるために予知能力者アガサを拉致します。
実はアガサが見た未来は罠でした。
アンダートンは息子を拉致された悲しい過去がありますが、その加害者の役を家族への金銭とひきかえに重犯罪人がその役をやらされているただけでした。
重犯罪人は、自分が死なないと家族に金が払われないと、自らアンダートンの銃で死亡します。
これが真相でした。
犯罪予防局の存在に疑問を持つ司法調査官ウィットワーが、アガサの母殺害の真相に気が付きます。
実は殺人事件を犯罪予防局に阻止させておいて、予知とまったく同じ方法で別の殺害を実行していました。
担当者に2つの事件を同じ予知だと誤認させていたのです。
ウィットワーは、犯罪予防局の法律成立を目指すハイネマン博士によって殺害されます。
逃亡の末にアンダートンは逮捕されて収監されますが、妻のララの協力によって真相が白日の元にさらされ、ハイネマン博士は自殺。
犯罪予防局は廃止され、予知能力者たちは平穏な生活を取り戻し、映画はエンディングを迎えます。
とても面白い映画です。
設定の妙もありますが(若干、予知能力者というオカルトが気にかかりますが)、なによりミステリ要素もあってグイグイ引き込まれます。
完璧と思える犯罪予知のどこに欠陥があるのか。どうやって主人公は危機を脱出するのか。
冒頭の様々な伏線が、途中でいろいろと繋がっていく構成が見事です。
主役を演じるのはトム・クルーズですが、アクションは控えめで、見せ場は縦方向に走る車の上を飛び移るぐらいでしょうか。
監督はスティーブン・スピルバーグです。
SFだとどうしても設定を詰め込みすぎたり、様々なテーマを盛り込みたくなりますが、そこは適度に間引いてほぼ主人公目線で進む分かり易さと言い、観客の立場で映画を作っているところが素晴らしいです。
謎めいた窓の外の男が、実は設置途中の看板だったというのも絶妙です。
製作費1億2百万ドルで、興行収入3億58百万ドルは、作品のデキからすると少し不満でしょうか。
賞には縁がありませんでしたが、もっと評価が高くてしかるべき映画だと思います。
名原作、名監督、名俳優の三拍子そろった映画を楽しみたいひとのために!
舞台は近未来のアメリカです。
3人の予知能力者により殺人事件は事前に防止されるようになった社会。
主人公のアンダートンは、犯罪予防局に勤める刑事です。
彼は予知能力者による予知に基づき、犯罪防止に努めていましたが、ある日、自分が殺人者となる未来を予知されてしまいます。
アンダートンは逃亡し、真実を突き止めるために予知能力者アガサを拉致します。
実はアガサが見た未来は罠でした。
アンダートンは息子を拉致された悲しい過去がありますが、その加害者の役を家族への金銭とひきかえに重犯罪人がその役をやらされているただけでした。
重犯罪人は、自分が死なないと家族に金が払われないと、自らアンダートンの銃で死亡します。
これが真相でした。
犯罪予防局の存在に疑問を持つ司法調査官ウィットワーが、アガサの母殺害の真相に気が付きます。
実は殺人事件を犯罪予防局に阻止させておいて、予知とまったく同じ方法で別の殺害を実行していました。
担当者に2つの事件を同じ予知だと誤認させていたのです。
ウィットワーは、犯罪予防局の法律成立を目指すハイネマン博士によって殺害されます。
逃亡の末にアンダートンは逮捕されて収監されますが、妻のララの協力によって真相が白日の元にさらされ、ハイネマン博士は自殺。
犯罪予防局は廃止され、予知能力者たちは平穏な生活を取り戻し、映画はエンディングを迎えます。
とても面白い映画です。
設定の妙もありますが(若干、予知能力者というオカルトが気にかかりますが)、なによりミステリ要素もあってグイグイ引き込まれます。
完璧と思える犯罪予知のどこに欠陥があるのか。どうやって主人公は危機を脱出するのか。
冒頭の様々な伏線が、途中でいろいろと繋がっていく構成が見事です。
主役を演じるのはトム・クルーズですが、アクションは控えめで、見せ場は縦方向に走る車の上を飛び移るぐらいでしょうか。
監督はスティーブン・スピルバーグです。
SFだとどうしても設定を詰め込みすぎたり、様々なテーマを盛り込みたくなりますが、そこは適度に間引いてほぼ主人公目線で進む分かり易さと言い、観客の立場で映画を作っているところが素晴らしいです。
謎めいた窓の外の男が、実は設置途中の看板だったというのも絶妙です。
製作費1億2百万ドルで、興行収入3億58百万ドルは、作品のデキからすると少し不満でしょうか。
賞には縁がありませんでしたが、もっと評価が高くてしかるべき映画だと思います。
名原作、名監督、名俳優の三拍子そろった映画を楽しみたいひとのために!
【書評】村上春樹『海辺のカフカ』
村上春樹10作目の長編小説です。
カフカはもちろんフランツ・カフカのことです。
主人公は中野区に住む15歳の少年ですが、彼の仮名であり、ヒロインが1作だけ世に問うた曲名でもあります。
ストーリーはというと、主人公は15歳になったとき、予言に導かれて家出をします。流れに流れて、高松にある私設図書館に住み込むことになります。
ナカタと言う読み書きができない老人がいます。猫と会話できます。
その老人が猫殺しであるジョニー・オォーカー(主人公の父)を本人の望みのままに殺害し、そして「やるべきことをする」ために、流れ流され、ヒッチハイクで知り合ったホシノ青年と高松までたどり着きます。
そして、ナカタとホシノ青年はカーネルサンダースの助けを借りて、入口の石を見つけ、開放します。
その結果、様々な幻想的なことが発生し、世界の歪みが矯正され、様々な出来事が元の場所に戻っていきます。
ナカタは客死しますが、ホシノ青年は入口の石を閉じます。
そして、主人公は東京に戻ります。
あらすじを説明するのが難しいのですが、ひらたくいうと、行って帰る式の由緒正しいストーリーです。
他の長編とも共通するモチーフも多数でてきますが、作者として明確なテーマを提示していないので、作品の解釈はひとそれぞれになるかなと思います。
自分は成長の物語と読みました。
何もできなくてカラスと呼ばれる心の声に頼っていた少年は、いつしか、自立して自らの目的を達成していきます。
ホシノ青年はナカタと出会うことで、目的を持った人生が存在することを知ります。
もちろんこれは自分の解釈なので、読み方は多種多様だと思います。
それだけの幅を持った、不思議な物語だと思います。
村上春樹を堪能したいひとのために!
カフカはもちろんフランツ・カフカのことです。
主人公は中野区に住む15歳の少年ですが、彼の仮名であり、ヒロインが1作だけ世に問うた曲名でもあります。
ストーリーはというと、主人公は15歳になったとき、予言に導かれて家出をします。流れに流れて、高松にある私設図書館に住み込むことになります。
ナカタと言う読み書きができない老人がいます。猫と会話できます。
その老人が猫殺しであるジョニー・オォーカー(主人公の父)を本人の望みのままに殺害し、そして「やるべきことをする」ために、流れ流され、ヒッチハイクで知り合ったホシノ青年と高松までたどり着きます。
そして、ナカタとホシノ青年はカーネルサンダースの助けを借りて、入口の石を見つけ、開放します。
その結果、様々な幻想的なことが発生し、世界の歪みが矯正され、様々な出来事が元の場所に戻っていきます。
ナカタは客死しますが、ホシノ青年は入口の石を閉じます。
そして、主人公は東京に戻ります。
あらすじを説明するのが難しいのですが、ひらたくいうと、行って帰る式の由緒正しいストーリーです。
他の長編とも共通するモチーフも多数でてきますが、作者として明確なテーマを提示していないので、作品の解釈はひとそれぞれになるかなと思います。
自分は成長の物語と読みました。
何もできなくてカラスと呼ばれる心の声に頼っていた少年は、いつしか、自立して自らの目的を達成していきます。
ホシノ青年はナカタと出会うことで、目的を持った人生が存在することを知ります。
もちろんこれは自分の解釈なので、読み方は多種多様だと思います。
それだけの幅を持った、不思議な物語だと思います。
村上春樹を堪能したいひとのために!
2025年01月20日
【SS】齊藤想『ツタンカーメン王の呪い』(ChatGPT:80点)
第39回小説でもどうぞ!に応募した作品その1です。テーマは「眠り」です。
テーマの「眠り」を少しひねっています。
アイデアとしては逆転です。ツタンカーメン王は呪いをかけるのですが、実は呪いをかけられていた、というのがストーリーの骨子になります。
オチに結びつけるために、ツタンカーメン王は、途中から嫌々で呪いをかける必要があります。逆エスカレーションです。
ということで、具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は2/5発行です。
・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!
―――――
『ツタンカーメン王の呪い』 齊藤 想
ツタンカーメン王は、エジプトを支配する偉大なる王として、王家の谷の奥深くで永遠の眠りについたはずだった。
聖なる遺体は、王家専属のミイラ職人の手によって完璧な状態でミイラ化される。肌は香油で清められ、内臓は丁寧に抜き取られ、爪の先まで防腐処理が施され、最高級の白布で包まれ、黄金のマスクを被せられてから豪華な副葬品ともに棺に納められる。
王を目覚めさせる者はだれもいない。
そう信じていたのに、気が付いたら奇妙な服装をした下人どもが、副葬品とミイラを部屋の外に運び出そうとしている。
聞いたことのない言葉が、小さな部屋でこだまする。
霊体になって目覚めたツタンカーメン王がこの状況に戸惑っていると、オリシス神を始めとするエジプトの神々が現れた。
エジプトにおいて王は神々の子孫であり、神と同格である。ツタンカーメン王は、オリシス神に尋ねる。
「これはどうしたことか。こいつらは何者だ」
オリシス神は、おごそかに答える。
「この者たちは、海の果てからきた王の眠りを妨げる不届き者でございます」
「つまり盗掘者ということか。わがエジプトの軍隊は何をしているのか」
「申し訳ありませんが、王が知るエジプトはすでに滅びております。しかし、ご安心ください。このようなときのために、神官たちが呪いの言葉を残しております」
「それは、どのような言葉か」
オリシス神は、霊室の入口に書かれている文字を指した。そこには”王の永遠の眠りを妨げるものには、王による永遠の呪いが与えられるであろう”と刻まれている。
オリシス神は、持っているヘカ杖とネケク笏を鳴らした。
「王よ、いまこそ呪いの力を解き放つときです。この不届き者に王の罰を与えるです」
神々の怒りはごもっともである。無礼千万な盗掘者たちに、王家の力を見せつけねばならない。
まずは責任者を呪い殺そう。とはいえ、異国の民なので、誰が責任者か分からない。言葉も分からない。そのため、とりあえず耳に入った名前に呪いをかけることにした。名前の響きも偉そうだ。
ほどなくして、発掘隊のスポンサーであるカーナーヴォン卿が敗血症で死亡した。
呪いを果たしたツタンカーメン王は満足した。さて、再び眠りにつこう。そう思っていたのに、神々はさらなる罰を求めてくる。
「この程度で、呪いを終わらせてはいけません。これを見てください」
オリシス神は、ツタンカーメン王にミイラの手で作られた文鎮を見せた。
「これは、王の墓を発掘した学者が、友人へ面白半分にプレゼントしたものです」
確かにこれは酷い。死者への冒涜だ。ツタンカーメン王も怒りを覚えた。
「この文鎮に触れた者に、苦しみを与えよ」
ほどなくして、文鎮の所有者の自宅は全焼した。懲りずに自宅を再築したので、今度は洪水で押し流してやった。
これで、誰もがツタンカーメン王の恐ろしさを知ったことだろう。王家をバカにする者はいない。
もう充分だとツタンカーメン王は思っているのに、神々は許してくれない。
「なんて甘い罰なんだ。この程度では王家だけでなく神々も見くびられてしまう」
神々に迫られると、王としては従うしかない。渋々ながら呪いを継続する。
次に呪いをかけたのは、最初に呪い殺したカーナーヴォン卿の親族だ。カーナーヴォン卿に強い恨みがあったわけではないが、たまたま彼の親族に重病人がいて、余命いくばくもなかったので、諦めてもらえると思ったのだ。
この大甘の措置に、神々が怒り始めた。
仕方なく、今度は放射線技師のアーチボルド・ダグラス・リード卿に呪いをかけた。
もちろん彼に恨みがあったわけではない。
王のミイラが調査のためレントゲン撮影されることになったのだが、たまたまツタンカーメン王が神々に責められているときに、彼が目の前にいたという不幸な理由だ。
ツタンカーメン王は呪いに疲れた。もう限界だった。
「そろそろ永遠の眠りにつかせてくれ。私は疲れ切った。そもそも、なぜ、呪う側が苦しまなくてはいけないのか」
王の前に立ち並ぶエジプトの神々は、ツタンカーメン王の泣き言をせせら笑った。
「いまごろ気が付いたのかね」
「なんと愚鈍な王だ」
「これで我々と同格だと信じているのだからタチが悪い」
「そ、それはどういうことだ」
驚くツタンカーメン王に、神々の列からオリシス神が前に出た。王に向かって、ヘカ杖とネケク笏を不気味に鳴らす。
「王の死後を飾る財宝を集めるために、国民がどれだけ塗炭の苦しみを味わったのか、王はご存じないでしょう。平民出身の神官は下々の苦しみを知るだけに、王家を深く恨んでいました。だから、王の永遠の眠りが妨げられるとき、つまり王家が滅びた時に、今度は王家が永遠に眠れなくなるような呪いをかけたのです。この呪いにより、王は誰かを永遠に呪い続ける義務があるのです。さあ、次はだれを呪いますか」
オリシス神は、ツタンカーメン王の目の前で高笑いをした。
ツタンカーメン王は絶望した。
永遠の眠りは、永遠に訪れそうにない。
―――――
テーマの「眠り」を少しひねっています。
アイデアとしては逆転です。ツタンカーメン王は呪いをかけるのですが、実は呪いをかけられていた、というのがストーリーの骨子になります。
オチに結びつけるために、ツタンカーメン王は、途中から嫌々で呪いをかける必要があります。逆エスカレーションです。
ということで、具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は2/5発行です。
・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!
―――――
『ツタンカーメン王の呪い』 齊藤 想
ツタンカーメン王は、エジプトを支配する偉大なる王として、王家の谷の奥深くで永遠の眠りについたはずだった。
聖なる遺体は、王家専属のミイラ職人の手によって完璧な状態でミイラ化される。肌は香油で清められ、内臓は丁寧に抜き取られ、爪の先まで防腐処理が施され、最高級の白布で包まれ、黄金のマスクを被せられてから豪華な副葬品ともに棺に納められる。
王を目覚めさせる者はだれもいない。
そう信じていたのに、気が付いたら奇妙な服装をした下人どもが、副葬品とミイラを部屋の外に運び出そうとしている。
聞いたことのない言葉が、小さな部屋でこだまする。
霊体になって目覚めたツタンカーメン王がこの状況に戸惑っていると、オリシス神を始めとするエジプトの神々が現れた。
エジプトにおいて王は神々の子孫であり、神と同格である。ツタンカーメン王は、オリシス神に尋ねる。
「これはどうしたことか。こいつらは何者だ」
オリシス神は、おごそかに答える。
「この者たちは、海の果てからきた王の眠りを妨げる不届き者でございます」
「つまり盗掘者ということか。わがエジプトの軍隊は何をしているのか」
「申し訳ありませんが、王が知るエジプトはすでに滅びております。しかし、ご安心ください。このようなときのために、神官たちが呪いの言葉を残しております」
「それは、どのような言葉か」
オリシス神は、霊室の入口に書かれている文字を指した。そこには”王の永遠の眠りを妨げるものには、王による永遠の呪いが与えられるであろう”と刻まれている。
オリシス神は、持っているヘカ杖とネケク笏を鳴らした。
「王よ、いまこそ呪いの力を解き放つときです。この不届き者に王の罰を与えるです」
神々の怒りはごもっともである。無礼千万な盗掘者たちに、王家の力を見せつけねばならない。
まずは責任者を呪い殺そう。とはいえ、異国の民なので、誰が責任者か分からない。言葉も分からない。そのため、とりあえず耳に入った名前に呪いをかけることにした。名前の響きも偉そうだ。
ほどなくして、発掘隊のスポンサーであるカーナーヴォン卿が敗血症で死亡した。
呪いを果たしたツタンカーメン王は満足した。さて、再び眠りにつこう。そう思っていたのに、神々はさらなる罰を求めてくる。
「この程度で、呪いを終わらせてはいけません。これを見てください」
オリシス神は、ツタンカーメン王にミイラの手で作られた文鎮を見せた。
「これは、王の墓を発掘した学者が、友人へ面白半分にプレゼントしたものです」
確かにこれは酷い。死者への冒涜だ。ツタンカーメン王も怒りを覚えた。
「この文鎮に触れた者に、苦しみを与えよ」
ほどなくして、文鎮の所有者の自宅は全焼した。懲りずに自宅を再築したので、今度は洪水で押し流してやった。
これで、誰もがツタンカーメン王の恐ろしさを知ったことだろう。王家をバカにする者はいない。
もう充分だとツタンカーメン王は思っているのに、神々は許してくれない。
「なんて甘い罰なんだ。この程度では王家だけでなく神々も見くびられてしまう」
神々に迫られると、王としては従うしかない。渋々ながら呪いを継続する。
次に呪いをかけたのは、最初に呪い殺したカーナーヴォン卿の親族だ。カーナーヴォン卿に強い恨みがあったわけではないが、たまたま彼の親族に重病人がいて、余命いくばくもなかったので、諦めてもらえると思ったのだ。
この大甘の措置に、神々が怒り始めた。
仕方なく、今度は放射線技師のアーチボルド・ダグラス・リード卿に呪いをかけた。
もちろん彼に恨みがあったわけではない。
王のミイラが調査のためレントゲン撮影されることになったのだが、たまたまツタンカーメン王が神々に責められているときに、彼が目の前にいたという不幸な理由だ。
ツタンカーメン王は呪いに疲れた。もう限界だった。
「そろそろ永遠の眠りにつかせてくれ。私は疲れ切った。そもそも、なぜ、呪う側が苦しまなくてはいけないのか」
王の前に立ち並ぶエジプトの神々は、ツタンカーメン王の泣き言をせせら笑った。
「いまごろ気が付いたのかね」
「なんと愚鈍な王だ」
「これで我々と同格だと信じているのだからタチが悪い」
「そ、それはどういうことだ」
驚くツタンカーメン王に、神々の列からオリシス神が前に出た。王に向かって、ヘカ杖とネケク笏を不気味に鳴らす。
「王の死後を飾る財宝を集めるために、国民がどれだけ塗炭の苦しみを味わったのか、王はご存じないでしょう。平民出身の神官は下々の苦しみを知るだけに、王家を深く恨んでいました。だから、王の永遠の眠りが妨げられるとき、つまり王家が滅びた時に、今度は王家が永遠に眠れなくなるような呪いをかけたのです。この呪いにより、王は誰かを永遠に呪い続ける義務があるのです。さあ、次はだれを呪いますか」
オリシス神は、ツタンカーメン王の目の前で高笑いをした。
ツタンカーメン王は絶望した。
永遠の眠りは、永遠に訪れそうにない。
―――――
最近の金融・投資【令和7年1月第3週】
〔先週の株式市場〕
自分の持株は1日プラス3日マイナスでもちろんトータルマイナス。
年が明けてからずっとマイナス調子でうーん、冴えません。
下がる途中で買増すパターンも多いけど、最近はあまりに冴えないのでしばらく「見」を続ける予定。
いまの政権がいつまで続くのやら。
〔泉州池田HDから株主優待が届いた話〕
だいぶ昔の話です。泉州池田は保有株式数と継続保有期間で優待が異なる。
自分は最低限の100株なのだが、3年未満は2000円相当、3年以上から3000円相当にランクアップです。
自分はまだ2000円相当ですが、来年から3000円相当にランクアップするはず。
この泉州池田ですが、今年から基本的にインターネットでの申し込みです。
商品数が多くないものの、いろいろ悩んで、最終的にサンマルコ・カレーセットにする。
関東では絶対にないだろうなあと思うので。
さてさて、お味ですが、小麦粉の代わりに野菜ペーストでとろみをつけているようで、なかなか美味しいです。
スパイスの辛みが野菜の甘さに包まれているといいますか。
自分的にはあたりだったので、来年度もまたカレーを頼もうかとか考え中。ちょっとメーカーを変えながら。
自分の持株は1日プラス3日マイナスでもちろんトータルマイナス。
年が明けてからずっとマイナス調子でうーん、冴えません。
下がる途中で買増すパターンも多いけど、最近はあまりに冴えないのでしばらく「見」を続ける予定。
いまの政権がいつまで続くのやら。
〔泉州池田HDから株主優待が届いた話〕
だいぶ昔の話です。泉州池田は保有株式数と継続保有期間で優待が異なる。
自分は最低限の100株なのだが、3年未満は2000円相当、3年以上から3000円相当にランクアップです。
自分はまだ2000円相当ですが、来年から3000円相当にランクアップするはず。
この泉州池田ですが、今年から基本的にインターネットでの申し込みです。
商品数が多くないものの、いろいろ悩んで、最終的にサンマルコ・カレーセットにする。
関東では絶対にないだろうなあと思うので。
さてさて、お味ですが、小麦粉の代わりに野菜ペーストでとろみをつけているようで、なかなか美味しいです。
スパイスの辛みが野菜の甘さに包まれているといいますか。
自分的にはあたりだったので、来年度もまたカレーを頼もうかとか考え中。ちょっとメーカーを変えながら。
2025年01月19日
【映画】メッセージ
原作はテッドチャン『あたなの人生の物語』でSF界での超有名作です。
地球に謎の宇宙船が多数現れるととから始まります。
主人公は女性言語学者でです。相棒が物理学者。この2人がチームとなって、アメリカ軍の要請で、宇宙人との会話を試みます。
宇宙人はタコのような形状をしており、まるで輪のような墨で表現する特殊な言語を用います。
言語学者は悪戦苦闘しながら少しずつ解読しますが、宇宙人が「武器を与える」「武器を使え」という言葉を発したことで、地球側は硬化します。
もはや戦うしかないと決断しますが、主人公たちは宇宙人の言う「武器」が言語であることに気が付きます。
宇宙人は地球人とは時世が異なっており、過去・現在・未来を同時並行で見ることができます。
主人公は、宇宙人に影響されて、フラッシュバックのように未来を見ることができる能力を得ていました。
そのフラッシュバックで見た未来から得た情報を活かして、中国軍トップに連絡し、宇宙人との戦争を防ぐことに成功します。
というのがざっくりとした流れです。
原作を読んだことがあるのですが、翻訳特有の違和感のある文章もあり、意味が分かりませんでした。
もちろん映画と原作は異なりますが、映画表現だとすっと内容が理解できます。
ただ、宇宙人が何者で、何が目的なのかはよく分からず。3000年後に人類の助けがいるから、というのは分かったのですが、そのときのために言語を教えにきたということなのかな。それとも地球をひとつにするためなのかな。
前者なら翻訳機でもいい気がするというより、助けを求める宇宙人が地球の言語を学ぶのが普通だし、後者ならもっと効率の良い方法がいくらでもあるような。そもそも危機的な対立が起こっていないし。
将来の危機を防いだという意味なら、伏線が欲しいなあと思うかも。
雰囲気はとてもいい映画ですが、結局、自分には宇宙人の目的が理解できませんでした。
壮大なストーリーのはずなのに、最後は主人公と相棒である物理学者の未来(結婚するが破局することを知りつつ、二人は繋がる)という個人の問題に収斂させてしまうし。
物理学者を演じたのはジェレミーレナーです。SWATとかミッションインポッシブルでのアクション俳優といったイメージがありましたが、こうした演技も良いですね。
製作費50百万ドルで興行収入2億ドルなので成功作だと思います。
ちなみにこの特異な形の宇宙船は、日本では「ばかうけにそっくり」と話題になりました。どうでもいい情報ですが。
SF界の超有名作を原作とする映画を楽しみたいひとのために!
地球に謎の宇宙船が多数現れるととから始まります。
主人公は女性言語学者でです。相棒が物理学者。この2人がチームとなって、アメリカ軍の要請で、宇宙人との会話を試みます。
宇宙人はタコのような形状をしており、まるで輪のような墨で表現する特殊な言語を用います。
言語学者は悪戦苦闘しながら少しずつ解読しますが、宇宙人が「武器を与える」「武器を使え」という言葉を発したことで、地球側は硬化します。
もはや戦うしかないと決断しますが、主人公たちは宇宙人の言う「武器」が言語であることに気が付きます。
宇宙人は地球人とは時世が異なっており、過去・現在・未来を同時並行で見ることができます。
主人公は、宇宙人に影響されて、フラッシュバックのように未来を見ることができる能力を得ていました。
そのフラッシュバックで見た未来から得た情報を活かして、中国軍トップに連絡し、宇宙人との戦争を防ぐことに成功します。
というのがざっくりとした流れです。
原作を読んだことがあるのですが、翻訳特有の違和感のある文章もあり、意味が分かりませんでした。
もちろん映画と原作は異なりますが、映画表現だとすっと内容が理解できます。
ただ、宇宙人が何者で、何が目的なのかはよく分からず。3000年後に人類の助けがいるから、というのは分かったのですが、そのときのために言語を教えにきたということなのかな。それとも地球をひとつにするためなのかな。
前者なら翻訳機でもいい気がするというより、助けを求める宇宙人が地球の言語を学ぶのが普通だし、後者ならもっと効率の良い方法がいくらでもあるような。そもそも危機的な対立が起こっていないし。
将来の危機を防いだという意味なら、伏線が欲しいなあと思うかも。
雰囲気はとてもいい映画ですが、結局、自分には宇宙人の目的が理解できませんでした。
壮大なストーリーのはずなのに、最後は主人公と相棒である物理学者の未来(結婚するが破局することを知りつつ、二人は繋がる)という個人の問題に収斂させてしまうし。
物理学者を演じたのはジェレミーレナーです。SWATとかミッションインポッシブルでのアクション俳優といったイメージがありましたが、こうした演技も良いですね。
製作費50百万ドルで興行収入2億ドルなので成功作だと思います。
ちなみにこの特異な形の宇宙船は、日本では「ばかうけにそっくり」と話題になりました。どうでもいい情報ですが。
SF界の超有名作を原作とする映画を楽しみたいひとのために!
【書評】村上春樹『東京奇譚集』
村上春樹の短編小説集です。
収録されているのは5作です。
ざっくり紹介すると、こんな感じ。
『偶然の旅人』
……作者自身が体験した偶然話と知人から聞いた偶然話の紹介
『ハナレイ・ベイ』
……サーフィン中に鮫に襲われ死んだ青年の母親が、その浜を訪れる。
『あれそれが見つかりそうな場所で』
……階段の途中で突然失踪し男性の謎を追う。
『移動する腎臓のかたちをした石
……父から「本当に意味をもつ女性は3人しかいない」と言われてきた青年の話
『品川猿』
……名前を盗む猿が品川に現れる。
一番、村上春樹らしいのは『移動する腎臓のかたちをした石』でしょうか。
女性と出会い、性行為を行い、そして別れていく。文体といい、展開といい、凝縮した村上春樹という感じがします。
『あれそれが見つかりそうな場所で』は、異空間への転移というか、他の作品との共通性を感じます。
短いので、気軽に読める短編集だと思います。
村上春樹の短編を読みたいひとのために!
収録されているのは5作です。
ざっくり紹介すると、こんな感じ。
『偶然の旅人』
……作者自身が体験した偶然話と知人から聞いた偶然話の紹介
『ハナレイ・ベイ』
……サーフィン中に鮫に襲われ死んだ青年の母親が、その浜を訪れる。
『あれそれが見つかりそうな場所で』
……階段の途中で突然失踪し男性の謎を追う。
『移動する腎臓のかたちをした石
……父から「本当に意味をもつ女性は3人しかいない」と言われてきた青年の話
『品川猿』
……名前を盗む猿が品川に現れる。
一番、村上春樹らしいのは『移動する腎臓のかたちをした石』でしょうか。
女性と出会い、性行為を行い、そして別れていく。文体といい、展開といい、凝縮した村上春樹という感じがします。
『あれそれが見つかりそうな場所で』は、異空間への転移というか、他の作品との共通性を感じます。
短いので、気軽に読める短編集だと思います。
村上春樹の短編を読みたいひとのために!
【書評】辻山良雄『本屋はじめました 増補版』
ある書店員が、大手書店を退職し、個人で本屋を起業した体験記です。
本書は著者の生い立ちから始まります。
長じてからは大手書店チェーン、リブロに入社し、本を販売する様々な経験をします。
マネージャーを勤めた巨艦店、池袋本店が閉店するタイミングで、独立して本屋を開業することになります。
この体験記が、金銭面も含めて赤裸々に書いてあり、興味深いです。
著者の心にあったコンセプトをお店につぎ込んでいくのですが、予算との折り合いを付けながら、次々と形にしていきます。
参考になったのは、まずコンセプトがあり、その次にどう売るか、がくることです。売り上げは大事ですが、優先順位としては2番目です。
元書店員の経験と人脈を活かし、様々な企画を仕掛けます。
商売には”ひとが大事だな”ということが実感させられます。
書店は厳しい状況が続いていますが、著者の店は堅調のようで、なによりです。
新刊書店を開きたいと思っているひとのために!
本書は著者の生い立ちから始まります。
長じてからは大手書店チェーン、リブロに入社し、本を販売する様々な経験をします。
マネージャーを勤めた巨艦店、池袋本店が閉店するタイミングで、独立して本屋を開業することになります。
この体験記が、金銭面も含めて赤裸々に書いてあり、興味深いです。
著者の心にあったコンセプトをお店につぎ込んでいくのですが、予算との折り合いを付けながら、次々と形にしていきます。
参考になったのは、まずコンセプトがあり、その次にどう売るか、がくることです。売り上げは大事ですが、優先順位としては2番目です。
元書店員の経験と人脈を活かし、様々な企画を仕掛けます。
商売には”ひとが大事だな”ということが実感させられます。
書店は厳しい状況が続いていますが、著者の店は堅調のようで、なによりです。
新刊書店を開きたいと思っているひとのために!
【書評】エウゲーニ・ラチョフ/うちだりさこ『てぶくろ』
最近の日常
たまには何でも無い日常でも。
テレビのリモコンが壊れる。これで2回目です。
1回目は電気店で取り寄せたのだが、とにかく時間がかかった。受取に行くのもめんどう。ということで、「まさか無いよなあ」とか思いながらAmazonで検索すると、売っていた。
おそるべし、Amazon。
と思いつつ、リモコンまでネットで買えるのなら、街の電気店は大変です。値段も手間もネットが有利。残された優位点は何かというと、即日手に入れたい日用雑貨とか、大型家電製品で事前に現品を見た上で安全確実に購入したい場合ぐらいでしょうか。
リアル店舗で商売をするのが大変な時代になったのかなと思いつつ。
三男が手術をする予定だった。
危急を要するものではなく、小さいうちにしておいたほうが良いだろう、という程度の物。
とはいえ、妻が病院に泊まり込むことになるので、その間は祖父母に協力をお願いしたり、自分も仕事の調整を付けて休みを取るためにかなり無理を重ねてきた。
が、前日の検査であっさりと
「少し鼻水がでているのでまた今度にしましょう」
と却下される。
医者の話によると、全身麻酔をするので、特に幼い子供は麻酔中に鼻水が詰まって呼吸困難になることがあるので、少しでも鼻水が出ていると手術できません、とのこと。
そんなこといわれても、三男はいつも鼻がグズグズだしなあ。
鼻が止まったらまた来てくださいと軽く言われても、こっちは気軽に休めるわけじゃないのに。
ということで、自分の仕事と三男の様子を見ながら、手術はかなり延期する予定。
ときおり発生する無気力状態。
今回は2日で終了する。たぶん、この無気力状態が、自分にとって息抜きなのだろう。そのように思っています。
テレビのリモコンが壊れる。これで2回目です。
1回目は電気店で取り寄せたのだが、とにかく時間がかかった。受取に行くのもめんどう。ということで、「まさか無いよなあ」とか思いながらAmazonで検索すると、売っていた。
おそるべし、Amazon。
と思いつつ、リモコンまでネットで買えるのなら、街の電気店は大変です。値段も手間もネットが有利。残された優位点は何かというと、即日手に入れたい日用雑貨とか、大型家電製品で事前に現品を見た上で安全確実に購入したい場合ぐらいでしょうか。
リアル店舗で商売をするのが大変な時代になったのかなと思いつつ。
三男が手術をする予定だった。
危急を要するものではなく、小さいうちにしておいたほうが良いだろう、という程度の物。
とはいえ、妻が病院に泊まり込むことになるので、その間は祖父母に協力をお願いしたり、自分も仕事の調整を付けて休みを取るためにかなり無理を重ねてきた。
が、前日の検査であっさりと
「少し鼻水がでているのでまた今度にしましょう」
と却下される。
医者の話によると、全身麻酔をするので、特に幼い子供は麻酔中に鼻水が詰まって呼吸困難になることがあるので、少しでも鼻水が出ていると手術できません、とのこと。
そんなこといわれても、三男はいつも鼻がグズグズだしなあ。
鼻が止まったらまた来てくださいと軽く言われても、こっちは気軽に休めるわけじゃないのに。
ということで、自分の仕事と三男の様子を見ながら、手術はかなり延期する予定。
ときおり発生する無気力状態。
今回は2日で終了する。たぶん、この無気力状態が、自分にとって息抜きなのだろう。そのように思っています。