小説と論評の募集です。
〔主催者HP〕
https://www.mitabungaku.jp/shinjin.html
主催者は純文学系の三田文學です。
当選作が2名でる回もあれば、佳作どまりという回もあり、受賞者を選ぶというより作品本位であることが伺われます。
なお賞金100万円ですが、当選作が複数ある場合は等分となります。
制限枚数は原稿用紙100枚以内、応募締切は令和7年5月31日です!
<募集要項抜粋>
募集内容:小説、論評
テーマ :なし
当選作 :賞金50万円
制限枚数:原稿用紙100枚以内
応募締切:令和7年5月31日
応募方法:郵送
2025年02月14日
創作状況【令和7年2月第2週】
初めて短歌で入選しました。ありがたや。
【第209回のメュー】
◆こんな公募に挑戦しました・第4回水の都おおがき短編小説コンクール
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第40回)
◆プラスのショートショート1~3
◆公募情報数点
来月は、水の都おおがき短編小説コンクールに応募したときの反省記です。今年応募を検討しているひとには参考になるかも、ならないかも。
3月発行は3月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
【ショートショートガーデン】
名画シリーズは勉強の意味で100まで続ける予定。無駄に頑張ります。
〔名画でショート044『破壊されるべきオブジェ』(マン・レイ)〕
https://short-short.garden/S-uCTxXK
【小説でもどうぞ】
第43回のテーマは「依存」をさらりと応募する。
次回のテーマは「習慣」ですね。
とりあえず第1作を書く。コメディですが、初稿段階では1800字にも満たず。おいおい推敲を進めながら調整します。
第2作はいい話系統にしようと思ったものの、なんかよくある話になってしまった。アイデアがないままイメージで書くと冴えなくなる典型例かも。
あと1作はどうしよう。イメージはあるので、ショートショート系にしようかと。
【さばえ近松文学賞】
原稿用紙10枚内、応募締切6月30日、発表は9月中旬、募集内容は恋愛小説。
ちよだ文学賞を応募したら推敲に入ります。
それまでいい推敲の方法を研究します。はい。
【ちよだ文学賞】
40×40で10~30枚、4月18日〆、10月末発表
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/bunka/bunka/bungaku/boshu.html
「第43回小説でもどうぞ」を書き終わったら第3回の推敲に入ります。
冒頭でプロントのソイラテを登場させているのだけど、実はプロント未経験。ということで試しにプロントに入店してソイラテを注文してみる。うん、イメージと全然違う。危ないところだった。慌てて描写を修正する。
何はともあれ経験は大事です。
あと推敲は2回(2月、3月)でフィニッシュの予定。
【水の都おおがき短編小説コンクール】
原稿用紙10枚内、8/31締切、受賞者には12月中旬通知
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-01-24
受賞作の発表は2月23日にですね。公開されたら作品を読み、分析してから今年度応募作の推敲を開始します。
【星新一賞】
制限文字数10,000字以内、9/30締切、発表は2月頃
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-24-1
結果が発表され、受賞作を読んでから今年応募作の推敲を開始します。はい。
【坊っちゃん文学賞】
制限文字数4000字、9/30締切、発表は2月頃
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-21-1
受賞作が発表されたので順番に読みます。
大 賞:高山幸大『恩返し』
これはショートショートではなく掌編です。坊ちゃん文学賞がショートショートになったとき、初期は掌編系が多数入選していました。その時期に戻ったかのようです。
ストーリーというより、文章に難があるかなあ、というのが自分の感覚。冒頭の書き方もいまひとつで、主要人物2人の関係が分からず、かなり混乱しました。誤字もあります。
朝日新聞の記事によると、構想から7年間かかっているそうです。
書きなれていないひとだと思うと、これだけ書けのはすごいです。
日記の文字が消えるという話はそれなりにありまして、個人的には微妙な作品。けど、とても奇麗です。
~以下は結果待ち~
【新潟文学賞】
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-09-18-1
SS部門は400~1000字、11月30日締め切り、2月上旬発表
あとは結果を待つだけ。掌編系なので来年もしつこく応募する予定。そのときは、また新潟本を借りてネタ探しみたいな。
【『ラストで君は「まさか!」と言う』文学賞】
3,500文字以内、12/31締切、2月末1次選考・3月末最終発表。テーマは「ホラー」「泣ける」「恋愛」
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-10-25-4
テーマごと1作の計3つ応募。2月末の1次選考の結果待ちです。
【小さな小さな文学賞vol2 第3回ビールのある風景】
800字以内で10月31日締切、発表は3月1日
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-24
あとは発表まで待ちですね。発表は3月なので、まだまだ先。
【その他】
・2025ビア川柳・短歌の短歌部門で入選しました。ありがたや。
・節約川柳募集は1作のみなので、笑い要素を重視して応募する。1月中旬発表
・第2回セカンドオピニオン川柳に応募する。2/14発表
・きのこ川柳(2025/02)に応募。3月にノミネート発表
・福島エール川柳は応募済み。3月発表予定。
・第9回健康のため水を飲もう川柳に応募する。3月下旬発表。
・第2回和漢川柳に3作応募してみた。3月下旬発表。
・おーいお茶新俳句に3作応募した。今回はサクラで揃える。10月下旬発表。
・第19回手帳大賞に応募する。昔の小さな思い出。11月発表。
・15年記念つや姫川柳コンテストに応募。発表時期未定。
・第5回銭湯川柳コンテスト(冬)に応募。発表時期不明。
【第209回のメュー】
◆こんな公募に挑戦しました・第4回水の都おおがき短編小説コンクール
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第40回)
◆プラスのショートショート1~3
◆公募情報数点
来月は、水の都おおがき短編小説コンクールに応募したときの反省記です。今年応募を検討しているひとには参考になるかも、ならないかも。
3月発行は3月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
【ショートショートガーデン】
名画シリーズは勉強の意味で100まで続ける予定。無駄に頑張ります。
〔名画でショート044『破壊されるべきオブジェ』(マン・レイ)〕
https://short-short.garden/S-uCTxXK
【小説でもどうぞ】
第43回のテーマは「依存」をさらりと応募する。
次回のテーマは「習慣」ですね。
とりあえず第1作を書く。コメディですが、初稿段階では1800字にも満たず。おいおい推敲を進めながら調整します。
第2作はいい話系統にしようと思ったものの、なんかよくある話になってしまった。アイデアがないままイメージで書くと冴えなくなる典型例かも。
あと1作はどうしよう。イメージはあるので、ショートショート系にしようかと。
【さばえ近松文学賞】
原稿用紙10枚内、応募締切6月30日、発表は9月中旬、募集内容は恋愛小説。
ちよだ文学賞を応募したら推敲に入ります。
それまでいい推敲の方法を研究します。はい。
【ちよだ文学賞】
40×40で10~30枚、4月18日〆、10月末発表
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/bunka/bunka/bungaku/boshu.html
「第43回小説でもどうぞ」を書き終わったら第3回の推敲に入ります。
冒頭でプロントのソイラテを登場させているのだけど、実はプロント未経験。ということで試しにプロントに入店してソイラテを注文してみる。うん、イメージと全然違う。危ないところだった。慌てて描写を修正する。
何はともあれ経験は大事です。
あと推敲は2回(2月、3月)でフィニッシュの予定。
【水の都おおがき短編小説コンクール】
原稿用紙10枚内、8/31締切、受賞者には12月中旬通知
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-01-24
受賞作の発表は2月23日にですね。公開されたら作品を読み、分析してから今年度応募作の推敲を開始します。
【星新一賞】
制限文字数10,000字以内、9/30締切、発表は2月頃
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-24-1
結果が発表され、受賞作を読んでから今年応募作の推敲を開始します。はい。
【坊っちゃん文学賞】
制限文字数4000字、9/30締切、発表は2月頃
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-21-1
受賞作が発表されたので順番に読みます。
大 賞:高山幸大『恩返し』
これはショートショートではなく掌編です。坊ちゃん文学賞がショートショートになったとき、初期は掌編系が多数入選していました。その時期に戻ったかのようです。
ストーリーというより、文章に難があるかなあ、というのが自分の感覚。冒頭の書き方もいまひとつで、主要人物2人の関係が分からず、かなり混乱しました。誤字もあります。
朝日新聞の記事によると、構想から7年間かかっているそうです。
書きなれていないひとだと思うと、これだけ書けのはすごいです。
日記の文字が消えるという話はそれなりにありまして、個人的には微妙な作品。けど、とても奇麗です。
~以下は結果待ち~
【新潟文学賞】
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-09-18-1
SS部門は400~1000字、11月30日締め切り、2月上旬発表
あとは結果を待つだけ。掌編系なので来年もしつこく応募する予定。そのときは、また新潟本を借りてネタ探しみたいな。
【『ラストで君は「まさか!」と言う』文学賞】
3,500文字以内、12/31締切、2月末1次選考・3月末最終発表。テーマは「ホラー」「泣ける」「恋愛」
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-10-25-4
テーマごと1作の計3つ応募。2月末の1次選考の結果待ちです。
【小さな小さな文学賞vol2 第3回ビールのある風景】
800字以内で10月31日締切、発表は3月1日
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-24
あとは発表まで待ちですね。発表は3月なので、まだまだ先。
【その他】
・2025ビア川柳・短歌の短歌部門で入選しました。ありがたや。
・節約川柳募集は1作のみなので、笑い要素を重視して応募する。1月中旬発表
・第2回セカンドオピニオン川柳に応募する。2/14発表
・きのこ川柳(2025/02)に応募。3月にノミネート発表
・福島エール川柳は応募済み。3月発表予定。
・第9回健康のため水を飲もう川柳に応募する。3月下旬発表。
・第2回和漢川柳に3作応募してみた。3月下旬発表。
・おーいお茶新俳句に3作応募した。今回はサクラで揃える。10月下旬発表。
・第19回手帳大賞に応募する。昔の小さな思い出。11月発表。
・15年記念つや姫川柳コンテストに応募。発表時期未定。
・第5回銭湯川柳コンテスト(冬)に応募。発表時期不明。
2025年02月13日
【映画】第9地区
マイナーながら、アカデミー賞4部門ノミネートの佳作です。
舞台は南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルグです。
その上空にエイリアンが乗る宇宙船が現れます。
この宇宙船は遭難しているらしく、地球人が宇宙人に手を差し伸べ、彼らを特定の居住区に住まわせることになります。
彼らはその姿からエビと呼ばれ、文化を理解せず、野良犬のような生活をしているので人間から忌み嫌われています。
主人公のヴィカスは傭兵会社の役員です。社長の身内であることから現場リーダーに抜擢され、宇宙人を第9地区から第10地区に強制移住させるチームのリーダーに選ばれます。
しかし、ある液体を浴びたことこで体が宇宙人化していきます。
特殊な例なので研究用に傭兵会社から追われることになります。
そうした中で、宇宙人のリーダーと出会います。
主人公が浴びた液体は実は宇宙船用の燃料で、その燃料があれば母船に戻って主人公の体を治せます。
それを聞いた主人公は、宇宙人のリーダーとともに、会社にある液体を取り戻そうとします。
という感じの映画です。
映画は関係者のインタビューで始まります。そこから傭兵会社の記録用映像に移り、主人公の調子の良さと、ときおり漏れる裏面である身勝手な様子が流れます。
この辺り、人間がしっかり描かれています。
設定の妙もありますし、映像の妙もありますが、なにより登場人物を絞っているのが素晴らしいです。
余計なサブプロットもほとんどなく、途中で登場するギャング集団は何度もストーリーを出入りして、彼らという素材をストーリーとして完全に使い切ります。
ずっと身勝手な行動を続ける主人公ですが、仲間思いの宇宙人のリーダーの心にほだされ、最後は自らを捨ててまでリーダーの味方になります。
心優しい宇宙人リーダーですが、子供の存在が、彼のキャラを引き立てるのに役立っています。
また、この子供がストーリー上も重要な役目があるのも良いです。
本当にこの映画には無駄がありません。
ラストもとてもいいです。完全にエイリアン化した主人公が、鉄の花を作ります。
本作は製作費30百万ドルで、興行収入2億11百万ドルの大ヒット作品となりました。
マイナーながら高評価のSF映画を発見したいひとのために!
舞台は南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルグです。
その上空にエイリアンが乗る宇宙船が現れます。
この宇宙船は遭難しているらしく、地球人が宇宙人に手を差し伸べ、彼らを特定の居住区に住まわせることになります。
彼らはその姿からエビと呼ばれ、文化を理解せず、野良犬のような生活をしているので人間から忌み嫌われています。
主人公のヴィカスは傭兵会社の役員です。社長の身内であることから現場リーダーに抜擢され、宇宙人を第9地区から第10地区に強制移住させるチームのリーダーに選ばれます。
しかし、ある液体を浴びたことこで体が宇宙人化していきます。
特殊な例なので研究用に傭兵会社から追われることになります。
そうした中で、宇宙人のリーダーと出会います。
主人公が浴びた液体は実は宇宙船用の燃料で、その燃料があれば母船に戻って主人公の体を治せます。
それを聞いた主人公は、宇宙人のリーダーとともに、会社にある液体を取り戻そうとします。
という感じの映画です。
映画は関係者のインタビューで始まります。そこから傭兵会社の記録用映像に移り、主人公の調子の良さと、ときおり漏れる裏面である身勝手な様子が流れます。
この辺り、人間がしっかり描かれています。
設定の妙もありますし、映像の妙もありますが、なにより登場人物を絞っているのが素晴らしいです。
余計なサブプロットもほとんどなく、途中で登場するギャング集団は何度もストーリーを出入りして、彼らという素材をストーリーとして完全に使い切ります。
ずっと身勝手な行動を続ける主人公ですが、仲間思いの宇宙人のリーダーの心にほだされ、最後は自らを捨ててまでリーダーの味方になります。
心優しい宇宙人リーダーですが、子供の存在が、彼のキャラを引き立てるのに役立っています。
また、この子供がストーリー上も重要な役目があるのも良いです。
本当にこの映画には無駄がありません。
ラストもとてもいいです。完全にエイリアン化した主人公が、鉄の花を作ります。
本作は製作費30百万ドルで、興行収入2億11百万ドルの大ヒット作品となりました。
マイナーながら高評価のSF映画を発見したいひとのために!
【書評】鈴木伸元『反骨の知将 帝国陸軍少将・小沼治夫』
一般には知られていない軍人、小沼治夫を紹介する本です。
小沼治夫はどちらかというと研究者肌です。
日露戦争の研究を命じられて、数字を分析したところ突撃のほとんどが失敗していることを突き止めます。
そこから、白兵戦を重視する従前の作戦に疑問を持ちます。
ノモンハン事件の研究を命じられて、火力不足、補給不足が原因と判断しますが、この意見が上層部に受け入れられることはありません。
また優秀な下士官の損耗が大きく、下士官の能力によって兵士の戦力が大きく変わることを訴えます。
日米戦が始まると、ガナルガダル島に派遣され、命からがら救出されると、今度はルソン島勤務になります。
これだけ火力・補給の重視を訴えてきたのに、ないもの尽くしの戦場では「精神力」に頼らざるを得なくなるところに悲しみを覚えます。
本書ですが、白井明彦氏の研究に大きく依存しています。
人物紹介ではなく、小沼治夫が現役時代にまとめた報告書のまとめみたいになっているのが、少し残念です。
知られざる軍人を知りたい人のために!
小沼治夫はどちらかというと研究者肌です。
日露戦争の研究を命じられて、数字を分析したところ突撃のほとんどが失敗していることを突き止めます。
そこから、白兵戦を重視する従前の作戦に疑問を持ちます。
ノモンハン事件の研究を命じられて、火力不足、補給不足が原因と判断しますが、この意見が上層部に受け入れられることはありません。
また優秀な下士官の損耗が大きく、下士官の能力によって兵士の戦力が大きく変わることを訴えます。
日米戦が始まると、ガナルガダル島に派遣され、命からがら救出されると、今度はルソン島勤務になります。
これだけ火力・補給の重視を訴えてきたのに、ないもの尽くしの戦場では「精神力」に頼らざるを得なくなるところに悲しみを覚えます。
本書ですが、白井明彦氏の研究に大きく依存しています。
人物紹介ではなく、小沼治夫が現役時代にまとめた報告書のまとめみたいになっているのが、少し残念です。
知られざる軍人を知りたい人のために!
2025年02月12日
【公募情報】第17回年賀状思い出大賞(随筆・4/30〆)
年賀状は日本の文化です。
〔主催者HP〕
https://nenga.aisatsujo.jp/omoide/
年賀状の発行枚数は、2003年44億5千万枚がピークで、2020年は23億5千万枚と17年間で半分近くに減っています。
メールやSNSの普及、儀礼的な挨拶を省略する風習の変化とともに、この流れは変わらないと思います。
年賀状が減っても新年を祝う気持ちは変わらないので、挨拶の仕方の変化なのかなと思っています。
本公募の主催者は挨拶状ドットコムで、年賀状の印刷等の事業を行っています。
例年800近くの募集がある公募ですが、前年度は約400と急減して、穴場的な公募になっています。
前回の受賞作の「三十一年間の成長記録」はとても良いです。
制限文字数は原稿用紙1枚以内、応募締切は令和7年4月30日です!
<募集要項抜粋>
募集内容:随筆(ノンフィクション)
テーマ :年賀状にまつわる思い出、エピソード
大 賞:5万円分のJCBギフトカード
応募締切:令和7年4月30日
応募方法:主催者HP、メール、郵送、FAX
〔主催者HP〕
https://nenga.aisatsujo.jp/omoide/
年賀状の発行枚数は、2003年44億5千万枚がピークで、2020年は23億5千万枚と17年間で半分近くに減っています。
メールやSNSの普及、儀礼的な挨拶を省略する風習の変化とともに、この流れは変わらないと思います。
年賀状が減っても新年を祝う気持ちは変わらないので、挨拶の仕方の変化なのかなと思っています。
本公募の主催者は挨拶状ドットコムで、年賀状の印刷等の事業を行っています。
例年800近くの募集がある公募ですが、前年度は約400と急減して、穴場的な公募になっています。
前回の受賞作の「三十一年間の成長記録」はとても良いです。
制限文字数は原稿用紙1枚以内、応募締切は令和7年4月30日です!
<募集要項抜粋>
募集内容:随筆(ノンフィクション)
テーマ :年賀状にまつわる思い出、エピソード
大 賞:5万円分のJCBギフトカード
応募締切:令和7年4月30日
応募方法:主催者HP、メール、郵送、FAX
最近の日常【令和7年2月第1週】
〔自転車を修理した話〕
事故の話の続き。保険の関係もあるので、とりあえず自転車を修理に出した。
基本的にはズレている部分を調整するだけで終わりかなと思ったら、前輪を支えているフォークという部品がわずかにゆがんでいるという。
見た目では分からない。乗ってみても普通に運転しているときにはわからない。ただ極端な低速になると、少しハンドルが取られるような気がする。
うーん、プロにしかわらない領域ですなあ。
直すなら部品取り寄せで、かつ1万5千円らしい。
子どもに乗ってもらい、まったく分からなかったようなので、修理しないことにしました。
はい。
〔大掃除の話その5:液晶テレビを捨てた話〕
古い液晶テレビと液晶モニターを捨てに行く。
で、液晶テレビは家電リサイクル法の対象だが、モニターは対象外とのこと。同じようなものなんですけどねえ。
液晶テレビはリサイクル料と運搬費で5,900円なり。捨てるだけでけっこうお金がかかる。
液晶モニターはどうしようかなと思っているけど、ふと、さらに古い液晶モニターがあることに気が付き交換する。
うん、まだ使えそう。古い液晶モニターはケーズデンキにお願いしようかなあ、どうしようかなあ。
事故の話の続き。保険の関係もあるので、とりあえず自転車を修理に出した。
基本的にはズレている部分を調整するだけで終わりかなと思ったら、前輪を支えているフォークという部品がわずかにゆがんでいるという。
見た目では分からない。乗ってみても普通に運転しているときにはわからない。ただ極端な低速になると、少しハンドルが取られるような気がする。
うーん、プロにしかわらない領域ですなあ。
直すなら部品取り寄せで、かつ1万5千円らしい。
子どもに乗ってもらい、まったく分からなかったようなので、修理しないことにしました。
はい。
〔大掃除の話その5:液晶テレビを捨てた話〕
古い液晶テレビと液晶モニターを捨てに行く。
で、液晶テレビは家電リサイクル法の対象だが、モニターは対象外とのこと。同じようなものなんですけどねえ。
液晶テレビはリサイクル料と運搬費で5,900円なり。捨てるだけでけっこうお金がかかる。
液晶モニターはどうしようかなと思っているけど、ふと、さらに古い液晶モニターがあることに気が付き交換する。
うん、まだ使えそう。古い液晶モニターはケーズデンキにお願いしようかなあ、どうしようかなあ。
2025年02月11日
【映画】ミュンヘン
1972年に発生したミュンヘンオリンピック事件と、イスラエルによる報復作戦を描きます。
映画の冒頭で、「事実に基づく物語」とあります。
つまり実際の事件を題材にしていますが、あくまで創作ということを強調しています。
映画はミュンヘンオリンピック事件から始まります。
パレスチナのテロ組織、黒い九月がオリンピックに出場するイスラエル選手団を人質に立てこもります。
結果は人質・犯人全員死亡です。
イスラエル政府はテロ組織幹部への殺害作戦を実行し、主人公はそのリーダーとして選ばれます。
4人の仲間たちと順番に殺害していきますが、敵の反撃により仲間が殺害されたことがきっかけで、メンバーの精神は徐々に病んでいきます。
最終的に生き残ったのは2人です。
主人公たちがテロ幹部を殺害するたびに、テロ活動は過激さを増します。
テロ事件首謀者の殺害計画に失敗したところで、2人は活動を停止します。
主人公はアメリカに、もう1人は祖国に帰ります。
主人公は敵から狙われていると猜疑心に苛まれます。
祖国から帰国依頼がありますが、主人公は拒否したところで映画は終わります。
この映画ですが作戦に携わったとされる工作員の告白に基づきます。
ですが、当然ながらイスラエルとモサドは否定しています。事実は永久に闇の中だと思います。
殺害計画については、wikiを見た限りだと概ね事実関係に沿っているようです。
ですが、情報屋のルイの存在など、やや眉唾な話かなあ、というのが実感です。
工作員の告白が事実かどうかを考慮せず創作映画と観れば、とても面白いです。
最初は殺害に躊躇して、下手を踏みそうになりますが、成功したときの高揚感がメンバーを包みます。
しかし徐々に進むにつれ、テロ行為が激化し、殺しても次々と後任者が現れる切りのなさ、さらには敵側の反撃などで、メンバーの精神が病んでいきます。
そのメンバーの精神状態に応じて、画面が暗くなり、陰湿な描写が増えていきます。
こうした描き方が、上手いと思います。
この映画でスピルバーグ監督は「反イスラエル的」と非難されたそうです。ちなみに『シンドラーのリスト』ではイスラエル寄りと言われました。
すぐに政治的な目線で映画を評価するのは困ったものです。
アカデミー賞5部門ノミネートも受賞を逃しています。
製作費70百万ドルで興行成績1億31百万ドルはトントンといったレベルでしょうか。
ミュンヘンオリンピック事件について知りたいひとのために!
映画の冒頭で、「事実に基づく物語」とあります。
つまり実際の事件を題材にしていますが、あくまで創作ということを強調しています。
映画はミュンヘンオリンピック事件から始まります。
パレスチナのテロ組織、黒い九月がオリンピックに出場するイスラエル選手団を人質に立てこもります。
結果は人質・犯人全員死亡です。
イスラエル政府はテロ組織幹部への殺害作戦を実行し、主人公はそのリーダーとして選ばれます。
4人の仲間たちと順番に殺害していきますが、敵の反撃により仲間が殺害されたことがきっかけで、メンバーの精神は徐々に病んでいきます。
最終的に生き残ったのは2人です。
主人公たちがテロ幹部を殺害するたびに、テロ活動は過激さを増します。
テロ事件首謀者の殺害計画に失敗したところで、2人は活動を停止します。
主人公はアメリカに、もう1人は祖国に帰ります。
主人公は敵から狙われていると猜疑心に苛まれます。
祖国から帰国依頼がありますが、主人公は拒否したところで映画は終わります。
この映画ですが作戦に携わったとされる工作員の告白に基づきます。
ですが、当然ながらイスラエルとモサドは否定しています。事実は永久に闇の中だと思います。
殺害計画については、wikiを見た限りだと概ね事実関係に沿っているようです。
ですが、情報屋のルイの存在など、やや眉唾な話かなあ、というのが実感です。
工作員の告白が事実かどうかを考慮せず創作映画と観れば、とても面白いです。
最初は殺害に躊躇して、下手を踏みそうになりますが、成功したときの高揚感がメンバーを包みます。
しかし徐々に進むにつれ、テロ行為が激化し、殺しても次々と後任者が現れる切りのなさ、さらには敵側の反撃などで、メンバーの精神が病んでいきます。
そのメンバーの精神状態に応じて、画面が暗くなり、陰湿な描写が増えていきます。
こうした描き方が、上手いと思います。
この映画でスピルバーグ監督は「反イスラエル的」と非難されたそうです。ちなみに『シンドラーのリスト』ではイスラエル寄りと言われました。
すぐに政治的な目線で映画を評価するのは困ったものです。
アカデミー賞5部門ノミネートも受賞を逃しています。
製作費70百万ドルで興行成績1億31百万ドルはトントンといったレベルでしょうか。
ミュンヘンオリンピック事件について知りたいひとのために!
第18回朝日将棋オープン戦(準決勝・決勝)
だれが優勝しても初優勝です。
〔主催者サイト〕
https://digital.asahi.com/shougi/asahicup_live/?iref=pr_shougi
ベスト4は井田明宏五段、服部慎一郎六段、近藤誠也八段、佐々木勇気八段の4人です。
注目は年度最高勝率を更新する勢いで勝ち続けている服部慎一郎六段です。
準決勝の相手の井田五段は、雁木戦法を得意とする棋士です。井田五段からすれば初めての大舞台で、緊張もひとしおかもしれません。
もうひとつの準決勝は新A級の近藤八段と、現A級で竜王戦挑戦者にもなった佐々木八段です。
〔準決勝〕
井田明宏五段 ○ ― ● 服部慎一郎六段
佐々木勇気八段 ● ― ○ 近藤誠也八段
井田五段が得意の雁木からの競り合いを制して、絶好調の服部六段に土を付けました。服部六段は最高勝率更新に向けて一休みですが、まだまだチャンスは残っています。
佐々木近藤戦は角換わりになりましたが、後手近藤八段の攻めゴマを責めるB面攻撃がはまり、中盤以降は大差の快勝です。
〔決勝〕
井田明宏五段 ● ― ○ 近藤誠也八段
決勝も井田五段は雁木。中盤は互角のねじりあいが続きましたが、大舞台に緊張したのか玉の安全を目指した5二銀が悪手だったようです。薄くなった桂頭を攻められて一気に苦しくなります。
近藤八段がそのまま攻め続け、122手まで近藤八段の快勝。
近藤八段は朝日杯初優勝で、うれしい全棋士出場の棋戦での初優勝となりました。
井田五段は敗れたとはいえ、その名前を多くの将棋ファンに刻み込みました。
近藤八段おめでとうございます!
〔主催者サイト〕
https://digital.asahi.com/shougi/asahicup_live/?iref=pr_shougi
ベスト4は井田明宏五段、服部慎一郎六段、近藤誠也八段、佐々木勇気八段の4人です。
注目は年度最高勝率を更新する勢いで勝ち続けている服部慎一郎六段です。
準決勝の相手の井田五段は、雁木戦法を得意とする棋士です。井田五段からすれば初めての大舞台で、緊張もひとしおかもしれません。
もうひとつの準決勝は新A級の近藤八段と、現A級で竜王戦挑戦者にもなった佐々木八段です。
〔準決勝〕
井田明宏五段 ○ ― ● 服部慎一郎六段
佐々木勇気八段 ● ― ○ 近藤誠也八段
井田五段が得意の雁木からの競り合いを制して、絶好調の服部六段に土を付けました。服部六段は最高勝率更新に向けて一休みですが、まだまだチャンスは残っています。
佐々木近藤戦は角換わりになりましたが、後手近藤八段の攻めゴマを責めるB面攻撃がはまり、中盤以降は大差の快勝です。
〔決勝〕
井田明宏五段 ● ― ○ 近藤誠也八段
決勝も井田五段は雁木。中盤は互角のねじりあいが続きましたが、大舞台に緊張したのか玉の安全を目指した5二銀が悪手だったようです。薄くなった桂頭を攻められて一気に苦しくなります。
近藤八段がそのまま攻め続け、122手まで近藤八段の快勝。
近藤八段は朝日杯初優勝で、うれしい全棋士出場の棋戦での初優勝となりました。
井田五段は敗れたとはいえ、その名前を多くの将棋ファンに刻み込みました。
近藤八段おめでとうございます!
【書評】中野京子『怖い絵 死と乙女編』
インパクトのある名画22を紹介です。
冒頭を飾るのが、レーピン『皇女ソフィア』です。
レーピンは『イワン雷帝と息子』などのロシアをテーマにした歴史画を描いていますが、そのうちのひとつです。
これは彼女が幽閉されていた時期を想像で描いたものですが、ソフィアの眼力がものすごいです。
精密な筆力と想像力、さらには漫画のような表現手法がミックスされた傑作だと思います。
フーケ『ムーランの聖母子』も印象的です。
これはシャルル7世時代の宮廷画家だったフーケが、王の愛妾であるアニエスをモデルにしたといわれています。
赤と青の天使という大胆な色遣いに、現代的なスタイル。ディフォルメされた胸。1400年代の作品(つまり、ミケランジェロより前!)とは思えません。
ヨルダーンス『豆の王』は中世農村の宴を楽しそうに描いています。とはいえ、現実はまた別なのですが。理想的な農村を描いたのでしょう。
シーレ『死と乙女』、セガンティーニ『悪しき母たち』も印象的ですが、部屋に飾りたいかと言われたらちょっと違う感じ。
他にもミケランジェロ、ボッテイチェリ、ダビンチ、ルーベンスといった巨匠の作品も紹介されています。
強烈な名画を楽しみたいひとのために!
冒頭を飾るのが、レーピン『皇女ソフィア』です。
レーピンは『イワン雷帝と息子』などのロシアをテーマにした歴史画を描いていますが、そのうちのひとつです。
これは彼女が幽閉されていた時期を想像で描いたものですが、ソフィアの眼力がものすごいです。
精密な筆力と想像力、さらには漫画のような表現手法がミックスされた傑作だと思います。
フーケ『ムーランの聖母子』も印象的です。
これはシャルル7世時代の宮廷画家だったフーケが、王の愛妾であるアニエスをモデルにしたといわれています。
赤と青の天使という大胆な色遣いに、現代的なスタイル。ディフォルメされた胸。1400年代の作品(つまり、ミケランジェロより前!)とは思えません。
ヨルダーンス『豆の王』は中世農村の宴を楽しそうに描いています。とはいえ、現実はまた別なのですが。理想的な農村を描いたのでしょう。
シーレ『死と乙女』、セガンティーニ『悪しき母たち』も印象的ですが、部屋に飾りたいかと言われたらちょっと違う感じ。
他にもミケランジェロ、ボッテイチェリ、ダビンチ、ルーベンスといった巨匠の作品も紹介されています。
強烈な名画を楽しみたいひとのために!
2025年02月10日
【SS】齊藤想『仮面夫婦』(ChatGPT_90点)
第40回小説でもどうぞ!に応募した作品です。テーマは「演技」でした。
本作は「仲の良い夫婦」を演じなければならない夫婦の話です。
この系統としては、夫婦とも殺し屋だったという映画『Mr.&Mrs. スミス』があります。このパターンは二人が最後まで殺し合うと物語にならないので、基本的には和解で終わります。
ということで、具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は2/5発行です。
・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!
―――――
『仮面夫婦』 齊藤 想
夫婦仲は最悪だった。夫の成幸は職場内で不倫をして、妻の彩菜はスポーツジムの経営者といい仲になっている。
それでも、二人には約束があった。
「娘のルキアの前では、最後まで仲の良い夫婦を演じよう。結婚式で神父の前で誓ったように、死が二人を分かつまでは」
逆にいうと、相手が死ねば結婚生活から解放される。だから、夫婦とも自宅では油断ができない。
妻がルキアの幼稚園の用意をしながら、笑顔で朝食を用意する。
「はい、これはルキア、これはパパね」
彩菜がテーブルの上にシチューを並べる。
「おいしそう!」
ルキアは喜ぶが、成幸の皿からは怪しげな匂いが漂ってくる。彩菜はシチューに何を入れたのか。
「パパは食べないの?」
「あ、うん。もちろん食べるさ」
成幸は「仲の良い夫婦」を演じるために、笑顔でシチューを口に含む。咥内がピリピリする。
彩菜が意味ありげに微笑みかけてくる。
「どう美味しい?」
成幸は、シチューを飲み込まないように答える。
「うふ、とてもほいひいよ」
「なにそれパパ面白い」
ルキアが笑い転げるすきに、成幸はトイレに駆け込んで吐き出す。まいったなと思いながら食卓に戻る途中で妙な殺気を感じ、慌てて両足を広げる。
足の間に、錆びた包丁が刺さっている。彩菜が「うっかり」落としたのだ。
「あら、嫌だ、ごめんなさいね。ちょっと手が滑っちゃって」
成幸が包丁を拾い上げる。
「ずいぶんと錆びている包丁だなあ。これで野菜とか切れるのかよ」
「切れるわけがないじゃない。それに、破傷風菌とかついていそうだし」
「そうだなあ、危ないよなあ」
成幸は軽く笑いながら、包丁を返す。
最近の彩菜の攻撃はますます巧妙になっている。まったくもって油断できない。
妻とルキアが幼稚園に向かうのを見届けてから、成幸は出社した。面白くもない仕事を夕方まで続ける。
退社時間が近づいたころ、一本の社内メールが届いた。メールが指示するままに、成幸は人気のない会議室へと向かう。
その会議室で待っていたのは、成幸の不倫相手である上司だった。彼女は四十代後半で独身。部下には厳しく、社内では一、二を争うほどの嫌われ者。
それでも、成幸は彼女に猛烈なアタックを繰り返した。上司もひとまわり違う上に既婚者からの求愛に戸惑いながらも、ついつい関係を深めていった。
もちろん彼女は成幸の家庭の状況を把握している。だから、成幸が顔を出すだけで今日も無事だったと安心する。
上司はだれもいないのを確かめてから、成幸の体に抱きつく。ふんわりと、甘い香りが立ち上る。
「成幸さん、今日も生きていてうれしい」
成幸は頭をかきながら、まるで何気ない日常のように話す。
「今朝はかなり危なかったよ。なんとか回避できたけど」
上司が成幸のことを見つめる。
「笑っている場合じゃないわよ。もう決心するときだわ。彩菜さんを片付けないと、成幸さんが殺されるのよ」
物騒な話は場所を選ぶ。人の目がなく、だれにも聞かれることのない奥まった会議室は、絶好の場所だった。
「おれには娘がいるから、刑務所に入るわけにはいかないんだ。守るべきところは守らないと」
「だから殺し屋を雇うの」
「バカなことを言うな。殺し屋を雇うだけの大金を動かしたら、警察にバレる」
「大丈夫、私に任せて。私には貯金があるし、それにいいツテがあるの」
「ダメだ。絶対にいけない。君が悪いことをするぐらいなら、ぼくは死んだ方がましだ。だから……そうだな、決めたよ」
「成幸さん……」
上司の目は、とめどなくうるんでいた。
ルキアは夕食を食べながら、ママに話しかける。
「パパ遅いね」
彩菜はルキアに優しく答える。
「パパは仕事で忙しいの。いまが大事な時期だからって」
「パパってたいへんなんだね」
成幸が帰宅したのは深夜だった。ルキアが目覚めてパパお仕事お疲れ様、と抱きついてくる。成幸はルキアのほっぺにキスをしてから、ルキアを寝かしつける。
部屋が夫婦の二人だけになったとき、成幸は安堵の息ををついた。
「いやあ、今回は大変だった。けど、これでひと段落かな」
成幸はスーツの内ポケットから封筒を取り出した。その封筒には数百万円の現金が入っている。
「これが殺し屋を雇うための金だ。自分が雇うと説得して、あの女に金だけ出させた。足のつかない安全な金だ。ところで、そっちはどうだ」
「不倫相手が離婚専門の弁護士を雇うと言い始めたから、あと少しね。あとは現金どう引き出すかだけど、そのために私を攻撃してくれないと」
「そうだなあ」と成幸は本を手に取った。
お互いに演技は楽ではない。だから、実際に殺されそうになるが一番だ。本当だからこそ話に迫力が出る。不倫相手も信じる。
殺そうとするが、殺してはいけない。この微妙なラインが難しい。
「お互いに生命保険もかけているとはいえ、ほどほどにね。いつ事故が起こるのか分からないのだから」
妻の含み笑いを横目で見ながら、成幸は新しいミステリ小説を読み始めた。
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本作は「仲の良い夫婦」を演じなければならない夫婦の話です。
この系統としては、夫婦とも殺し屋だったという映画『Mr.&Mrs. スミス』があります。このパターンは二人が最後まで殺し合うと物語にならないので、基本的には和解で終わります。
ということで、具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は2/5発行です。
・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!
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『仮面夫婦』 齊藤 想
夫婦仲は最悪だった。夫の成幸は職場内で不倫をして、妻の彩菜はスポーツジムの経営者といい仲になっている。
それでも、二人には約束があった。
「娘のルキアの前では、最後まで仲の良い夫婦を演じよう。結婚式で神父の前で誓ったように、死が二人を分かつまでは」
逆にいうと、相手が死ねば結婚生活から解放される。だから、夫婦とも自宅では油断ができない。
妻がルキアの幼稚園の用意をしながら、笑顔で朝食を用意する。
「はい、これはルキア、これはパパね」
彩菜がテーブルの上にシチューを並べる。
「おいしそう!」
ルキアは喜ぶが、成幸の皿からは怪しげな匂いが漂ってくる。彩菜はシチューに何を入れたのか。
「パパは食べないの?」
「あ、うん。もちろん食べるさ」
成幸は「仲の良い夫婦」を演じるために、笑顔でシチューを口に含む。咥内がピリピリする。
彩菜が意味ありげに微笑みかけてくる。
「どう美味しい?」
成幸は、シチューを飲み込まないように答える。
「うふ、とてもほいひいよ」
「なにそれパパ面白い」
ルキアが笑い転げるすきに、成幸はトイレに駆け込んで吐き出す。まいったなと思いながら食卓に戻る途中で妙な殺気を感じ、慌てて両足を広げる。
足の間に、錆びた包丁が刺さっている。彩菜が「うっかり」落としたのだ。
「あら、嫌だ、ごめんなさいね。ちょっと手が滑っちゃって」
成幸が包丁を拾い上げる。
「ずいぶんと錆びている包丁だなあ。これで野菜とか切れるのかよ」
「切れるわけがないじゃない。それに、破傷風菌とかついていそうだし」
「そうだなあ、危ないよなあ」
成幸は軽く笑いながら、包丁を返す。
最近の彩菜の攻撃はますます巧妙になっている。まったくもって油断できない。
妻とルキアが幼稚園に向かうのを見届けてから、成幸は出社した。面白くもない仕事を夕方まで続ける。
退社時間が近づいたころ、一本の社内メールが届いた。メールが指示するままに、成幸は人気のない会議室へと向かう。
その会議室で待っていたのは、成幸の不倫相手である上司だった。彼女は四十代後半で独身。部下には厳しく、社内では一、二を争うほどの嫌われ者。
それでも、成幸は彼女に猛烈なアタックを繰り返した。上司もひとまわり違う上に既婚者からの求愛に戸惑いながらも、ついつい関係を深めていった。
もちろん彼女は成幸の家庭の状況を把握している。だから、成幸が顔を出すだけで今日も無事だったと安心する。
上司はだれもいないのを確かめてから、成幸の体に抱きつく。ふんわりと、甘い香りが立ち上る。
「成幸さん、今日も生きていてうれしい」
成幸は頭をかきながら、まるで何気ない日常のように話す。
「今朝はかなり危なかったよ。なんとか回避できたけど」
上司が成幸のことを見つめる。
「笑っている場合じゃないわよ。もう決心するときだわ。彩菜さんを片付けないと、成幸さんが殺されるのよ」
物騒な話は場所を選ぶ。人の目がなく、だれにも聞かれることのない奥まった会議室は、絶好の場所だった。
「おれには娘がいるから、刑務所に入るわけにはいかないんだ。守るべきところは守らないと」
「だから殺し屋を雇うの」
「バカなことを言うな。殺し屋を雇うだけの大金を動かしたら、警察にバレる」
「大丈夫、私に任せて。私には貯金があるし、それにいいツテがあるの」
「ダメだ。絶対にいけない。君が悪いことをするぐらいなら、ぼくは死んだ方がましだ。だから……そうだな、決めたよ」
「成幸さん……」
上司の目は、とめどなくうるんでいた。
ルキアは夕食を食べながら、ママに話しかける。
「パパ遅いね」
彩菜はルキアに優しく答える。
「パパは仕事で忙しいの。いまが大事な時期だからって」
「パパってたいへんなんだね」
成幸が帰宅したのは深夜だった。ルキアが目覚めてパパお仕事お疲れ様、と抱きついてくる。成幸はルキアのほっぺにキスをしてから、ルキアを寝かしつける。
部屋が夫婦の二人だけになったとき、成幸は安堵の息ををついた。
「いやあ、今回は大変だった。けど、これでひと段落かな」
成幸はスーツの内ポケットから封筒を取り出した。その封筒には数百万円の現金が入っている。
「これが殺し屋を雇うための金だ。自分が雇うと説得して、あの女に金だけ出させた。足のつかない安全な金だ。ところで、そっちはどうだ」
「不倫相手が離婚専門の弁護士を雇うと言い始めたから、あと少しね。あとは現金どう引き出すかだけど、そのために私を攻撃してくれないと」
「そうだなあ」と成幸は本を手に取った。
お互いに演技は楽ではない。だから、実際に殺されそうになるが一番だ。本当だからこそ話に迫力が出る。不倫相手も信じる。
殺そうとするが、殺してはいけない。この微妙なラインが難しい。
「お互いに生命保険もかけているとはいえ、ほどほどにね。いつ事故が起こるのか分からないのだから」
妻の含み笑いを横目で見ながら、成幸は新しいミステリ小説を読み始めた。
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